大河べらぼう ゆかりの地4選「地形や成り立ち重視」で分かりやすく

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大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」ゆかりの旅行地とモデルコースを、地形や成り立ちを重視して掲載しています。

大河ドラマ「べらぼう」の放映にしたがい、紹介するゆかりの地は増やしてゆきます。

著者 国内宿泊歴500泊のYahoo!ニュース公式旅行ライター。日本テレビ(2023年)、TBS(2024年)に、穴場旅の専門家として登場。JTB旅行地理検定合格。

【どうする家康】ゆかりの地(城・古戦場)一覧と旅行モデルコース

吉原への3つの道

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大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」の主要な舞台の1つが吉原遊郭。上野、浅草、スカイツリーの北側にあたり、いずれの場所からも徒歩30分前後の距離にあります。

引用 大江戸今昔めぐり

現在は、地下鉄の三ノ輪駅からかつての日本堤とほぼ一致する、土手通りを約10分歩くのがメインルートです。三ノ輪駅周辺は繁華街が開けていますし「投込寺」(遊女が裸同然で投げ込まれたシーンが話題)に立ち寄ることもできます。

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しかし、上のルートは江戸時代には実は裏道にあたりました。水運が盛んな江戸時代は、隅田川を舟(猪の牙のように先端が尖った高速船)で上り、左岸に接岸しそのあとかごか徒歩で日本堤を歩くのがメインルート。このルートは、待乳山聖天まつちやましょうでん(飛鳥時代創建、大根を供えることで知られる)の見学もできるのがポイントです。

江戸時代、舟に乗るほどのお金がない人は、隅田川沿いを歩きます。これが3つ目のルートです。

吉原へ向かう場合は、どのルートから向かうのかをまず決めます。例えば、三ノ輪駅(徒歩)吉原(徒歩)待乳山聖天🚌(至近の隅田公園から各方面へバス路線)……といったルートが考えられます。
※女性や家族連れにおすすめの浅草からのアプローチは後述します。

吉原での見どころは?(遊郭や蔦重の痕跡)

吉原の見どころは、土手通り(かつての日本堤)から、吉原大門跡の間に集中しています。

写真は土手通り沿いにある見返り柳。吉原を訪ねた客は、スカイツリーが見える隅田川方面に帰りますので、ここで名残を惜しみふり返ったとされます。

見返り柳から、吉原大門(よしわらおおもん)に向かう曲がりくねった道(五十間道ごじっけんみち衣紋坂えもんざか)は、日本堤から吉原が見えづらい配慮ともされています。

奥に見えるのが吉原大門跡で、鉄柱が2本立っています。吉原大門跡の手前の道を右に入ると、お歯黒どぶの石垣跡(後述)があります。

蔦屋重三郎のお店があった場所は、明確な資料がなく民家への配慮もあり、信頼できる情報を見てもバラつきがあります。

青丸の2か所が候補ですが、奥(NHK首都圏ナビ・浅草吉原商店会による)は吉原大門にかなり近く、蔦屋重三郎が初期に義理を頼って商品を置いていたお店のことかも知れません。手前の赤丸あたり(江戸新吉原耕書堂/テレビ東京による)が候補です。

引用 Yahoo!マップ(筆者加工)

吉原大門の向こうは、現在でも「遊郭」が営業しているため、立ち入る場合はカメラを提げて歩かない、不用意な写真撮影をしないなど注意が必要です。そのなかでは、吉原大門のある道は、まっすぐ進むと吉原神社に抜けられ、バスが通り途中コンビニもあるなど、比較的開かれた道となっています。

浅草からも近い吉原神社(境内が2つある)

吉原は、塀と水堀で囲まれ大門のみ通ることができましたので、吉原へのルートは必ず大門を通ることになります。

しかし、現代では塀も水堀も大門の門番もなく、浅草から訪ねる人もいます。地下鉄の浅草駅から、吉原の浅草側に位置する吉原神社まで、徒歩25分ほどです。

現在も営業する「遊郭」を通ることのないこのルートは、女性、家族、男女混成のグループに向いています。

吉原神社の奥には、吉原大門を再現した門があります。

江戸市中からの客は、四方を田んぼに囲まれた風景の日本堤(幅の広い堤防)を歩き、門を入ると春には桜が満開の華やかな世界に度肝を抜かれたはずです。

吉原神社は、すぐそばにもう1か所の境内があります。浅草駅から訪ねると気づきやすいですが、三ノ輪駅や吉原大門から訪ねると、気づきにくい場所です。

一帯はかつては湿地帯であり、大きな弁天池がありました。関東大震災では多くの人が弁天池に避難しましたが、火災を逃れられず命を落としています。

神社の池は、規模は小さいですが、弁天池の名残りです。

神社の向かいのパンケーキ屋さん

福カフェのパンケーキは、値段は高いですが、ほかにお客さんがいないときでも完成に20分前後かかるこだわりで、おすすめです。土日祝日は混雑のため、予約がおすすめです。

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吉原の名物 土手の伊勢屋(天丼屋さん)

吉原大門への入口に近い、土手通り(かつての日本堤)には、土手の伊勢屋という人気の天丼店があります。

創業は明治で、吉原へ行き来する人や、吉原で働く人、吉原への出前など24時間営業だった時期もあります。現在もかなりの人気店で、平日でも必ず行列ができています。

吉原でも大きな被害を出した関東大震災のあとに建物を再建。空襲が激しかったこの地区としては珍しく、戦時を生き延び、2010年に登録有形文化財に指定されました。

天丼は松竹梅でなく、イ・ロ・ハの3種類。土手の伊勢屋の名物は穴子ですので、穴子入りのロ・ハがおすすめです。

土手の伊勢屋の天丼は、江戸前と呼ばれごま油をたっぷり使用しています。

中央に置かれた海老はまずまず程度でしたが、丼をはみ出るように横たわった穴子は、さすが看板の具材。あっさりしつつも濃厚。また、サツマイモも味が濃く、メインを張れる完成度でした。

穴子は、いけすに入れておき、早朝から締め始めるとのこと。筆者が訪ねた日はは、宮城県仙台港水揚げの穴子でした。吉原を語るには外せないお店です。

※油の質はよく胃もたれはしにくいですが、油に弱い方は合わないかも知れません。

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