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スキーバス転落 なぜ遠回りの軽井沢・碓氷峠経由?運行会社格安プランの値段と問題点

2016/02/17

1月15日の未明に軽井沢でスキーバスが転落し14名もの乗客が亡くなりました。まず気になったのは、なぜ飯山の斑尾高原に行くのに軽井沢を通るのかということ。長野県北部にある斑尾高原は新幹線で言えば長野の先の飯山駅。長野県南部の軽井沢の一般道を走っている姿は想像できません。バス会社が安全を優先した経路を選択していたのかどうか調査しました。

※軽井沢、飯山訪問歴のある個人による調査となります。運転歴20年。

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軽井沢スキーバス転落事故で分かった3つのこと

① 事故のあった「国道18号碓氷バイパス」を深夜に走ってはいけない理由。
② 旅行会社「キースツアー」による今回のスキーツアープラン内容と価格。
③ スキープラン選びには乗務員数に加え、ルートの確認も必要。

 

スキーバス転落 なぜ遠回りの軽井沢・碓氷峠経由?運行会社格安プランの値段と問題点

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飯山へスキーに行くなら「上信越自動車道」利用が普通

 事故現場
 斑尾高原スキー場

✔ 飯山斑尾高原へ行くのなら高速に乗り、上信越自動車道を経由し長野の先の「豊田飯山IC」で降りるのが普通です。軽井沢付近の一般道をバスが走行していたことにまず違和感を覚えました。

✔ しかもバスが走行していた「国道18号碓氷バイパス」は、碓氷峠越えの難所。鉄道でもこの横川、軽井沢を超えるために歯車のついた車両とレールを導入していた時期があるほどの急勾配です。技術が進化し歯車がなくなった後も、電気機関車の増結の停車時間を利用した「峠の釜めし」の販売が人気となっていました。

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出典:北陸新幹線の高崎-軽井沢間の線路選定

✔ あまりの急勾配に当初は青色の軽井沢駅通過のルートが検討されていたほど。結果的に新幹線の最新技術で急勾配の高速運転を実現しましたが、運行経費がかかるためか在来線の横川~軽井沢間は旧信越本線区間にも関わらず「廃止」されました。

✔ 赤色で示したのが碓氷峠越えの直後の事故現場。碓氷峠はヘアピンカーブが続き、深夜ならば普通車でも危険な道です。大型バスならさらに危険度は増すためできれば避けたい道です。付近のカーブは計48カ所となります。

✔ 高速道路である上信越自動車道を選択していれば一瞬で駆け抜ける区間でした。

軽井沢スキーバス転落の碓氷峠は急な濃霧の発生が日常茶飯事

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出典:http://blog.livedoor.jp/xiaoxiong/archives/8460556.html

注:上の写真は軽井沢付近ですが事故があった道とは異なります。

✔ また碓氷峠付近は濃霧の多発場所として知られており、ドライバーのなかでは名物となっているほどです。碓氷峠の濃霧は季節を問わず日常茶飯事。厳冬期の深夜なら、より濃い霧となることもあります。

✔ このルートを選択した以上当日は霧や濃霧が発生していなかったと思われますが山地の気候は急に変化することもあります。街路灯のない濃霧の国道を深夜にライトだけを頼りに走行するのはいかに危険か想像できるかと思います。碓氷峠はカーブが多く、ベテランでも道路のカーブ位置を覚え切るのは不可能だったと考えられます。

続報

バスの予定外のルート走行が判明

・(行程表)14日23時原宿発。松井田妙義ICで高速に乗り、佐久平ICで降りる。その後複数のスキー場へ向かう。午前5時~7時半に到着。

・(実際のルート)松井田妙義ICで高速に乗らず、国道18号碓氷バイパスを走行。午前1時55分事故発生。

・ポイント … 運転手の判断か会社の指示かは不明。旅行会社(キースツアー)は「運転手が判断したとしか考えられない」 バス運行会社(イーエスピー)は「旅行会社の担当者には事前に伝えていた」と言い分に食い違い。

当日の霧の有無が判明

・現場付近に居合わせたドライバーが「見通しは良かった」と証言。気温は氷点下3度、風速は約3メートル(気象庁)。

 

 高坂SA
 東松山IC
 上里SA
 藤岡IC

続報

バスが予定外のルート走行をした理由について

報道ステーションが報じたある運転手の推論だと以下の通り

・計画では上信越自動車の始点、練馬で高速に乗り、 高坂SAで休憩し、 東松山ICで高速を降りるはずだった。

・しかし高坂SAは混雑しやすい(深夜だが大型の駐車レーンは限られる)。

・高坂SAが混雑していると、 上里SAで休憩し 藤岡ICで降りることがよくある。

・その場合通行料金が2000円ほど高くなる。「国道18号碓氷バイパス」を経由することでその差額は相殺できる。

この推論は別の番組で乗客が「時間があれば休憩をとるというアナウンスに不審感を持った」と語ったことと一致。運転手が高坂SAの混雑を予期していた可能性がある。

 

軽井沢スキーバス転落の碓氷峠 当日の路面凍結はなし

キャプチャ

出典:長野国道事務所道路情報システム

✔ 国道18号碓氷峠バイパスは濃霧以外にも路面凍結のリスクが高い国道です。高速道路であれば凍結を防ぐための管理がされますが、総延長が長い国道では不可能。ドライバーが状況を確認できるよう、特設サイトが設けられているほどです。

✔ 事故翌朝の9時ごろの軽井沢付近の路面状況は凍結ではなく乾燥となっており、報道によると事故発生当時も乾燥状態でした。情報は10分ごとの更新であり、霧と異なり路面凍結は急に起きるものではありません。この点はバス会社またはドライバーが事前にチェックの上現場を走行していたはずで、問題はないと思います

軽井沢スキーバス転落 峠越えの遅れ取り戻すスピードの出し過ぎか?

✔ スキーバス転落事故の現場付近はヘアピンカーブの連続が終わり下りが続く区間です。バスは左車線を走っていましたが、右車線に「登坂レーン」があることから急坂であると分かります。

✔ 大型バスはヘアピンカーブ(まして深夜)ではスピードが出ず時速30~40キロ程度の走行を余儀なくされていたはずです。高速道路を使用していない以上運行スケジュールは厳しかったはずで、ヘアピンカーブを抜けた後はスピードを出して遅れを取り戻すのがドライバーの心理です。深夜にドライバーと多くの乗客を乗せたバスを、このような条件で運行させていたバス会社に責任がなかったのかが気になる点です。

続報

バスの予定外のルート走行が判明していますが、運転手2名の一存か会社の関与があったのかが今後の焦点です。

 

✔ 専門家によるとスピードが出ていなければ転落現場より手前に落ちたはずで、直進して木立に突っ込んだように見えるのは、スピード超過を示唆しているということです。

✔ スキーバス転落事故があった国道18号(碓氷バイパス) の動画です。13:30からご覧になると現場の過酷さが分かります。マイカーのベテランドライバーならば何ということもない道ですが、初心者には大変な道です。霧が出た場合にはベテランでも厳しいです。大型バスならばかなり過酷で、深夜は論外に近いと思います。

✔ なぜこのルートを選んだのかがやはり気になるところです。万が一高速道路代を節約するためだったとしたら、近年の格安ツアーバス事故の教訓が生かされていないこととなり、非常に問題だと思います。

キャプチャ

✔ 企画は東京都渋谷区の旅行会社「キースツアー」。朝日新聞の取材に「今はお客様の対応を最優先している」と答えており、HPはダウンしている状況です(フェイスブックページはアクセス可能)。

✔ バスを運行していた東京・羽村市の「イーエスピー」。バスの運転手は2人で交代体制を敷いていました。バス運転手の乗務体制に関しては、近年のバス事故の教訓から改められた法規を遵守していたはずですが、「使用するルート」に関して規制が必要かもしれません。

✔ ツアーの概要、価格(価格は2月出発の場合)

・斑尾の激安ツアーならキースツアーにおまかせ下さい
【夜発1泊3日間】¥12,300~
★ゲレンデ徒歩4分のホテル
★夕食は鶏鍋食べ放題
★滞在中レンタル付き
【夜発日帰り】¥9,800~

続報

1月のツアー代は10600円と判明。

 

食べ放題がついた1泊2日のホテル代、交通費、スキーレンタルがついたプランが10600円。非常に魅力的で営業努力は素晴らしいですが、高速を使っていれば防げた事故だと思います。ユーザーはネットで料金だけを比較してプランを決めがちであるため、運行会社の自助努力には限界があります。法律の規制か業界団体による自主規制が必要です。ツアー会社間では2人乗務かどうかに加え、どのルートを使うのかも利用者が事前確認することが必要のようです。

【続報】シートベルト未装着の乗客も

✔ 車外に投げ出された乗客もおり、シートベルト未装着の乗客がいた可能性もある(読売新聞サイト)。

✔ 運転手からのシートベルトを促すアナウンスはなかったとの証言。

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