佐渡島は派手な観光地こそありませんが、銅鑼(ドラ)の音で新潟港を出港する昭和情緒たっぷりの「佐渡汽船」で行くのんびりムードの観光地です。
この記事では佐渡汽船の予約方法や船、等級の選び方、自動車かレンタカーかの選択、席の取り方、到着後の観光など、佐渡汽船に関する様々なノウハウをまとめてあります。
佐渡島 アクセスと観光のおすすめ情報
アクセス
・新潟駅からバスで新潟港へ。佐渡汽船に乗り、佐渡の玄関両津港へ。
・(北陸新幹線上越妙高駅を経て)直江津港から佐渡汽船。南の玄関小木港へ。
・佐渡は東西南北の4つの地区に分けて考えると良い。
・多くの観光客は東地区(両津港)から観光地の多い西地区(相川地区)へ移動する(佐渡島はかなり大きい島なので、この移動はバスで1時間弱かかる)。JRも相川にホテルを持っている。
・バス便もあるがレンタカーが無難。
主な観光地
写真:両津港からの所要時間(バスはもう少しかかります)
①東地区 … 新潟航路の両津港がある。周辺は干物屋さんや旅館、小さな歓楽街くらい。トキ保護センターが有名。のんびりした加茂湖も悪くなく穴場。
②西地区 … 集落名は相川。尖閣湾は、佐渡随一の観光地。佐渡金山は手前の北沢選鉱精錬所もおすすめ。夕景は、めおと岩が有名。
③南地区 … 直江津航路の小木港がある。たらい舟が人気。新スポットは歴史的保存集落の宿根木集落(規模は小さ目)。
④北地区 … 二ツ亀、大野亀景勝地。大佐渡スカイラインは、島全体と海を見降ろすさわやかな自動車道。紅葉期は絶対に外せない。
カーフェリーとジェットフォイールの選び方と予約の必要性
佐渡汽船は、新潟港発(新潟港~両津港)がもっとも情緒がありお勧めです。直江津便、寺泊便もありますが、この記事では新潟港発(新潟港~両津港)の便について扱います。
・新潟港発の航路はカーフェリー(=写真の大型客船)とジェットフォイール(=高速船・運賃がほぼ倍額)の2タイプが運行されています。
・「カーフェリー」は相当数の定員があり満席になることはめったにありませんので、乗車直前に切符を買う人が大半です。1等客室は定員が少ないので、多少の注意が必要です(お盆、年末年始、GWは満席に注意)。夏休みでもお盆以外は空席が目立つこともあり、普通の平日はガラガラです。
・「ジェットフォイール(高速船・運賃が倍額)」は定員が少ないため、閑散期の平日でも混雑することはありますので早めの購入が安心です。
※2頭客室はじゅうたん敷きで横になれますが、床が固いです(毛布を100円で借りて敷いてもなお固い)。そのため疲れやすい方は1等を強くおすすめします。差額は1000円程度。1等は簡易ベッドとリクライニングシートがあり、リクライニングシートのほうが座席の配置にゆとりがあります。
佐渡汽船の予約方法 コンセントとWi-Fi
・お盆、年末年始、GWに乗船する場合や、「ジェットフォイール(高速船・運賃が倍額)」を選びたい場合は予約をお勧めします。
・1等を利用する場合、席を選べるので予約がお勧めです。1番の席がある側が窓側です。
・コンセントは「ときわ丸」の1等イス席は海側並びに内側の壁添い(1座席に1つ)。「ときわ丸」の1頭簡易ベッド席の海側にいくつか。「おけさ丸」は1等イス席の後ろの壁にいくつか。1頭簡易ベット席は未確認です。「ときわ丸」の1等イス席の海側または内側の壁沿いがとれた場合、タコ足コンセントと延長コードの持参が無難です。Wi-Fiは「ときわ丸」「おけさ丸」とも順調に通信できます。
・佐渡汽船HPをご覧いただくと2か月前からインターネットまたは電話で予約ができます。
・往復の場合(移住しない限りほかに交通手段がないので必ず往復)は、出発日の2か月前に復路も同時に予約できます。電話の場合、朝8:00(または8:30、9:30)予約開始のためネットのほうがスタートは早くなります。
・決済は現地で現金またはクレジットカード払いです(インターネット予約はその場でクレジット決済も可能)。
佐渡汽船の乗船する船の選び方(新潟港~両津港)
・自動車を積み込む場合は自動的に「カーフェリー(大型客船)」になります。
・急ぐ場合は1時間5分で着く「ジェットフォイール(高速船・運賃は倍額の片道6520円程度)」を選びますが、座席やトイレなど最低限の装備しかない速度優先の船で旅行にはあまりお勧めできません。
・「カーフェリー」は2時間半ほどかかりますが、船内の甲板(=写真)、景色のよい食堂、売店、ゲームセンターなどがあり船旅らしい情緒があります。運賃は片道で2510円程度(2等)。
・「カーフェリー」の場合、「おけさ丸」と「ときわ丸」があります。時刻にもよりますが、往復で両方の船に乗るのがお勧めです。おけさ丸は以前から就航している伝統ある船で、船旅らしい船旅を楽しめます。ときわ丸は2014年に新造された船で設計はおけさ丸を踏襲していますが、やや新しい雰囲気です。ただ、展望室が室内に移るなど居住性は良くなっています。
佐渡汽船のカーフェリーの等級の選び方
・2等はメインがじゅたん敷きの自由席です(=写真)。一見ごろりとでき楽しめますが、床が固く疲れやすいです。出張の方や疲れやすい方は1等がお勧めです。
・1等は片道1000円ほど高くなりますが、じゅうたん席はマットレスがあり、イス席はリクライニングソファでかなり楽になります。席は好きな席を指定できます。「ときわ丸」は海側と内側の壁沿いにコンセントがあり利用できます。
・ただしグループで楽しみたい場合は、多少騒いでも許される2等ジュータン席がお勧めです。2等ジュータン席で、静かにあるいは仮眠をとりたい場合は「禁酒席」を狙います。禁酒でない席は酒盛りが始まることも多く静かとは言えない場合もあります(通常の平日はガラガラで静かです)。
・特等(ベッドルーム/6770円程度)やスイートルーム(応接室、ベッドルーム付き/15810円程度)もあります。赤ちゃんがいる場合はお母様だけ特等にするとよいと思います(特等のスペースは立ち入り禁止ですが、家族や知人が来客として訪問することは可能です)。
・2等イス席付近にペットルーム(無料)があります。
・2等イス席はイスが固いのであまり人気がありませんが、パソコン作業をするサラリーマンがよく利用しています(机のあるラウンジ型のイス席もあります)。
レンタカーかカーフェリーか
・佐渡に渡航する場合、現地でレンタカーを借りるのか、本土で借りたレンタカーまたは自家用車をカーフェリーで持ち込むのか迷うところです。
・カーフェリーの自動車航送運賃は往復で2万程度(料金表)のため、日帰りの出張客は100%現地でレンタカーを借りています。使用する車種にもよりますが、2泊以下(レンタカー3日間使用)程度ならば現地でレンタカーを借りたほうが得になると思います(レンタカー料金表の例)。なお、佐渡島にはニッポンレンタカー、トヨタレンタカーのほか、地元の「アイランドレンタカー」「渡辺産商」「佐渡汽船観光レンタカー」など島独自の会社もあります。
・本土に自家用車を停めておく場合の駐車料金は1日上限800円です。
佐渡汽船の旅(新潟まで)
この項目では佐渡への出発の日に知っておくと便利なことをまとめます。比較的メジャーなルートとして東京駅から上越新幹線に乗るルートを想定します。
上越新幹線に予約は必要か
・上越新幹線は2階建てで最大16両編成で運転できる「マックスとき」が運行されています。そのためかなりの輸送力があり、夏休み、GW、年末年始や週末以外は、とくにビジネス客は指定席を取らない人が目立ちます。ただし、大宮以北から乗車の場合、2人掛けの通路側の席(特段に運が悪いと3人掛けの真ん中の席)になってしまうこともあるため、指定券を買う人もいます。
・自由席の場合、先頭や最後尾の車両は座席数が少ないため、慣れている人ほど先頭および最後尾から2両目を狙います。
・2階建て車両の「マックスとき」は2階か1階を選ぶ必要があります。2階は景色が良いですが3人掛け×2列で座席が狭く、席の間の肘掛けもないので、すいている時期や家族、グループ向けです(リクライニングもしません)。1階は景色があまり見えない代わりに、3人掛け+2人掛けでシート幅に余裕があり肘掛けもついています。なおコンセントはどの席もありません。
・なお東京から乗る代わりに、在来線を使って大宮から乗ってもほとんど得しませんので、東京から新幹線がお勧めです。
東京駅の駅弁
佐渡汽船の旅 詳細と知っておきたいこと
新潟駅から佐渡汽船乗り場に
・新潟駅の新幹線ホームは南側にありますが、北側(信濃川、新潟市街の古町方面)の万代口(ばんだいぐち)に向かいます。
・バス(所要15分、210円)またはタクシー(所要10分、1000円強)で佐渡汽船乗り場に向かいます。
・佐渡汽船乗り場には銀行のATMがありませんので、お金を下ろす場合は新潟駅付近で。なお、佐渡汽船の切符はクレジットカードでも購入できます。
・もし、新潟で宿泊になる場合駅付近なら、ビジネスホテルですが多少シティホテル色があり露天風呂もあるドーミーイン新潟が出張族からはかなりの評価を集めています。雨の日や冬場は駅直結のメリットもあるホテルラングウッド新潟かホテルメッツ新潟。船着き場(新潟港)近くならばホテル日航新潟が便利ですが値は張ります(日航新潟は客室からの景色が売りですが、夜の到着なら夜景がきれいに見える側と要望するのがお勧め)。
・時間に余裕があれば新潟港の少し手前の「朱鷺メッセ」で降りお菓子メーカー(栗山米菓)の商標から名づけられたBefcoばかうけ展望台(=写真)にぜひ寄ってみましょう(場所が分かりにくいですが、ホテル日航東京を目指すと見つけられます)。市街地のほか新潟港の様子やこれから乗船する船の様子を見ることができます(無料。ただし夏休み、GW、年末年始や金曜日を含む週末は電話で入場予約をしたほうが無難)。佐渡汽船乗り場までは徒歩6分程度です。
佐渡汽船乗り場にて
・佐渡汽船乗り場には、昭和テイスト満点のお土産物屋や食堂があります。お勧めは県民食でお土産屋では扱っていないしんこ餅です(=写真)。包装は質素ですが味は素朴かつ甘さや食感も十分です。ナカガワのパンもおすすめ。
・有人窓口または自動券売機(クレジットカード使用可)で切符を買い(予約の場合は支払いを済ませ)、改札へ向かいます。なお改札は自動改札ですが、切符を裏返してバーコードを読ませるかなり珍しい形ですので戸惑う人もいます。
・自動車を積み込む場合は、1時間ほど前に、同乗者も乗せたまま直接「航送車きっぷ売り場」という看板のある、2階建ての建物の前に直接乗り付けます(ビデオガイド⑥⑦を見ます)。船内では船が揺れた場合の万一の事故などに備えてか、車には戻れません。
いよいよ佐渡汽船乗船(新潟港発カーフェリーの場合)
・2等の場合は、乗船したらすぐにフロントで緑色の毛布を借ります(100円)(=写真)。毛布は敷いたりかけたり枕にしたり、場所取りにもなるので慣れた人は必ず借りています。
・2等の場合は、固いイス席よりも横になれるじゅうたん席がお勧めです。
・じゅうたん席は、壁を背もたれ代わりにできる壁側(両海側)がすぐに埋まってしまいますので空いていればすぐに確保します。コンセントも隅のほう(海側)に数個ずつしかありません(コンセントを確保できなかった場合、確保した人の傍に陣取ればタコ足プラグや延長コードを持参して電気を分けてもらうこともできます)。
・なお、コンセントは2等客室の廊下付近や食堂にもあります。
・2等で仮眠をしたり静かに過ごしたいときは「禁酒室」を狙います。
・2等は「おけさ丸」ならこちらの配置図の番号⑯付近の2等船室は、右手にある2等船室を通過しない限り発見できないため、観光客はしばらく存在に気付かないこともあり狙い目です(国際的に船は左舷接岸のため、1号室を狙うなら3階のエントランスから乗船し、左手に進む形になります)。
・2等は人気がありますが、毛布を敷いたとしても床が固く想像以上に疲れます。出張、一人旅、疲れやすい方、お年寄りは1000円程度の差額で1等を確保することがお勧めです。簡易ベッドの席とリクライニングシート席がありますが、かなりゆったり配置されているリクライニングシートがお勧めです(とくに新造の「ときわ丸」は豪華なシートです)。
・新造の「ときわ丸」1等リクライニングシート席は海側と内側の壁にコンセントがあります。簡易ベッド席は海側に少し。「おけさ丸」の1等リクライニングシート席は部屋の後方に少し。)
佐渡汽船(カーフェリー)の船内にて
佐渡汽船(ケーフェリー)内には、 次のようなものがあります。
・展望スペース おけさ丸は後方にしかありませんが、新造のときわ丸は前方にもあり屋内になっています。
・イベントプラザ イベントプラザは修学旅行生などへ貸し切りになっていなければ、自由に利用できます。丸いテーブルを囲む形のイスの席があります。ここで仕事をしているビジネスマン人も目立ちます。
・ゲームセンター
・売店 軽食、雑誌もあります 売店で売っている朱鷺めき焼きは佐渡の菓子店が作っているものでおススメです(ばら売りあり)。また何の変哲もないイカのつまみ(スーパーで売っているような白トレーにラップ)は絶品。
・食堂 新潟名物たれかつ丼(=写真)や佐渡名物のかきのフライ定食などがあります。たれかつ丼はその場で揚げてはいないと思われ味は普通。かきフライは時間を要しますので揚げている可能性が高いです。
参考 北陸新幹線にあわせ直江津航路がスピードアップ 新造船の「あかね」を導入
出典:佐渡汽船ホームページ
佐渡汽船は新潟~両津(ときわ丸、おけさ丸)が最も基本的な航路です。直江津や、直江津と新潟の中間にある寺泊発の航路もありましたがあまり利用されていませんでした。
しかし、北陸新幹線開業にあわせ2015年の4月21日に直江津~小木の航路に新造船「あかね」が導入されました。高速フェリーの採用により現在より1時間も短い1時間40分で両港を結ぶことになります。
佐渡島両津港にて
佐渡(両津港)についたら
両津港に到着した直後のことをご案内します。
・船は高さがあるため降りると2階になっています。
・1階には「トヨタレンタリース」「ニッポンレンタカー」「渡辺産商」があります。混雑時は船を真っ先に降り早めに借りる手続きを取ると良いと思います。
・1階にラーメン屋もありますが、すぐ近く(道路を挟んで向かい)に魚秀という寿司屋があります。 佐渡で水揚げされた魚を使っています。味はまずまず。
両津港で30分以上時間があるときのお勧めコース
もし両津港で30分以上時間が空いた場合次のコースがおススメです。
佐渡汽船両津港⇒佐渡おけさ像(バス乗り場付近)⇒(佐渡東警察署から開発総合センターへ向かう)⇒海産物うさみ(=写真)⇒加茂湖橋⇒両津郵便局(松が名所)⇒両津大橋⇒佐渡汽船両津港
海産物うさみは、自家製のひもの屋さんで安くておいしく何でもそろっています。初夏はイカが旬です。佐渡の初夏のイカは味が濃い分小ぶりになります(大きいものはやや味の荒い北海道産)。小ぶりのイカが7匹入って700円前後でした。味が大変濃くお勧めできます。ホットプレート、フライパン、網などで軽く焼くだけです。トースターでも大丈夫でしょう。噛み切りにくいので焼く前に一口大に切っておくとよいと思います。
郵便局前には巨大な松があります。
佐渡の主な観光地(トキ保護センター、佐渡金山など)
両津港から比較的近いトキ保護センター案内図。入園締切16:30を過ぎるとトキは見られません。
佐渡金山は一度行けば満足するとも言われますが、手前の北沢選鉱精錬所もおすすめ。歴史遺産に興味があれば楽しめます。
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