鉄道ミステリー作家の西村京太郎先生が逝去。筆者が鉄道旅行や文体において、大きな影響を受けた大物作家です。以前に直接お会いした記録を残しておきます。
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湯河原の西村京太郎記念館
湯河原駅近くに西村京太郎記念館があります(現在閉館中)。先生のご自宅から近く、かつては直接顔を出される日がありました。
川沿いにあり、東海道新幹線の高架橋が見えます。東海道新幹線が見える場所、というのが西村京太郎先生らしい場所選びです。
2階に、西村京太郎全作品を展示。鉄道ミステリーを書き始める以前の、社会派小説なども全て収納しています。
2016年8月の訪問時には、まだ毎年10作以上の新刊を執筆されていました。毎年、湯河原のご自宅に、各出版社の担当者を集め、執筆スケジュールを話し合うのが、恒例とのことでした。
鉄道ミステリーで有名な先生ですが、最初は社会派小説でデビュー。筆者は、デビュー6作目の旅行ミステリー『南神威島』が印象に残っています。
南の無医島に赴任した青年医を待ち受けていたのは、島の奇妙な風習。それは美しい自然に似合わぬ人間くさいものだった。やがて島に発生した伝染病の謎とは?恐るべき惨劇の真相とは?超人気作家が二十余年前に自信を込めて私家版とした「幻の名作集」がいま堂々とよみがえる。ファン必読の作品集。
2階には、歴代書籍のほか、鉄道模型、直筆原稿、年表、ドラマ化作品一覧、コレクション(ブルートレインのジッポーなど)がありました。
上の写真は、県別の登場回数です(2016年8月現在)。
登場回数の多い都道府県
1位 北海道(19回) 2位 東京(17回) 3位 静岡・岐阜・京都(8回)
都道府県別の登場回数リスト
北海道19、青森7、秋田5、岩手3、山形6、宮城4、福島3、栃木2、茨城1、群馬1、埼玉1、東京17、神奈川2、山梨1、長野7、静岡8、岐阜8、愛知3、三重4、大阪2、和歌山5、新潟7、富山1、石川6、福井3、滋賀2、京都8、兵庫3、岡山4、鳥取3、広島4、島根3、山口5、香川1、徳島1、高知2、愛媛1、大分1、宮城2、熊本3、鹿児島3、佐賀2、長崎2、沖縄2。
西村京太郎先生に直接伺った、おすすめの旅行地は五能線
西村京太郎記念館では、日曜日や祝日に、先生ご本人が訪問されることがありました。
2階で本を購入すると、直筆のサインがいただけます。旅行ブログ執筆者であることを思い出し、数問だけインタビューをお願いしてみました。
おすすめの路線は?
西村京太郎「青森の五能線が一番好き。関東なら銚子電鉄だね」
五能線(秋田県能代市・東能代駅~青森県南津軽郡・川部駅)
五能線
銚子電鉄(千葉県銚子市・銚子駅~同・外川駅)
(タモリさんがブラタモリ銚子編で訪ねた線です)
おすすめのご当地グルメは?
西村京太郎「松阪のすき焼きの和田金はおすすめだよ。」
和田金
初めて先生の作品を読む人におすすめは?
西村京太郎「昔、西鹿児島まで行くブルートレインが走っててね、『寝台特急殺人事件』がおすすめだよ」
100歳くらいまで出版されると思っていただけに大変残念ですが、ご冥福をお祈りいたします。
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