【ブラタモリローマ編】全ルートを写真で紹介!~再放送と地形・穴場観光地~ #122

NHK番組のブラタモリ ローマ編で、ローマの地形・歴史を踏まえた、穴場観光地を含むルートが紹介されました。この記事では、ブラタモリローマ編の全ルートを、写真やアクセスなどの情報とともに紹介します。再放送予定も掲載。

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ローマ:ブラタモリ ローマ

ブラタモリ初の海外編は、ローマのコロッセオ前からスタート。タモリさんは、初のローマ訪問です。ブラタモリローマ編のテーマは、ローマは1日にしてならずとは?です。

イタリアの首都ローマは、町がまるごと世界遺産に指定された、世界有数の観光地で、年間に1500万人もの人が訪ねます。ローマの町づくりの基礎は2000年前にさかのぼります。当時、古代ローマ帝国は、ヨーロッパはもちろん、中東やアフリカまで支配する巨大な国家でした。もちろん、1日にして成り立つはずがありません。

コロッセオ:ブラタモリ ローマ

円形闘技場であるコロッセオでは、奴隷であった剣闘士同士の闘いや、猛獣との闘いが繰り広げられ、市民の娯楽となっていました。

フォロ・ロマーノ

ブラタモリは、コロッセオそばの、フォロロマーノを訪ねます。フォロは広場の意味、英語ではフォーラムです。市民の広場であったフォロロマーノは、遠征した兵士の凱旋の場であり、 政治や宗教の中心地でした。

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タモリさんは、カエサルの神殿を訪ねます。カエサル(シーザー)は、「ブルータスお前もか」などの名言で知られる、初の終身独裁官です。

タモリさんが、階段を下ると大きな石があり、お賽銭と花が手向けられています。別の場所で暗殺されたカエサルが火葬された場所です。現在建物は残っていませんが、2000年前には大きく立派な建物が建っていたと考えられます。

ブラタモリは、ローマの町のおヘソだという場所を訪ねます(写真中央のこげ茶の建造物)。

  • アクセス:セヴェルス帝の凱旋門のすぐ横

当時の世界図では、世界の中心に当たる場所。3世紀、この場所にモニュメントが作られました。紀元前8世紀、ローマの建国者・ロムルスがローマの中心だと定めた場所です。なぜなのでしょうか?

周囲の地形を見ると、町のおヘソはくぼ地となっており、周辺には7つの丘があり、邸宅がありました。7つの丘の住人が、くぼ地に集まったことがフォロ・ロマーノ(市民の広場)、ひいてはローマの始まりだったのです。

フォロ・ロマーノの地層

フォロ・ロマーノの周辺の地層を見学すると、赤茶色の凝灰岩が発見されます。ローマも日本と同様、火山の影響を受けた町だったのです。

  • アクセス:住所(Piazza della Consolazione, 00186 Roma RM, イタリア)より駐車場へ入る。駐車場管理者の許可をお取りください。

一方、赤茶色の凝灰岩に組み込まれた形で、灰色の石灰岩も見つかります。もともと海底にあった地層です。ローマは海底が隆起した場所(石灰岩)ですが、海沿いに火山が活動し、凝灰岩が覆い尽くしたのです。

  • ローマの山側:石灰岩を中心とした地層
  • ローマの海側:石灰岩と、火山性の凝灰岩が混在した地層

このほか、トラバーチンと呼ばれる、地上で生まれた石灰岩も存在します。白く美しいのが特徴です。

内側は、加工しやすく手に入りやすい凝灰岩、外側は、装飾性に優れたトラバーチンで作られたマルケッルス劇場(写真)をブラタモリは訪ねています。

ローマン・コンクリート

マルケッルス劇場の内部には、トラバーチンでも凝灰岩でもない建材も使われています。

近代建築のイメージがあるコンクリートですが、ローマ時代にもその1種が存在していました。石灰、火山灰、海水、岩くず(凝灰岩など)を混ぜて作られます。ローマン・コンクリート呼ばれます。

※ローマのへそや、コロッセオの基盤も、ローマンコンクリートでできています。

マルケッルス劇場に住む人

ブラタモリは、マルケッルス劇場の「上」に住んでいるお宅を訪ねます。古代劇場の客席だった場所の上に、アパートが建てられています。

客席の階段に沿って、最上階に上がると、オフィスや屋上のテラスがあり、ローマの街並みを望みます。

アッピア街道:ブラタモリ ローマ

http://nevereverseenbefore.blogspot.com/2016/04/the-appian-way-via-appia-italy.html

ブラタモリは、石畳の風景で知られる、アッピア街道を訪ねます。

全ての道はローマへ通ずの言葉が知られますが、アッピア街道は、もっとも名高い現存するローマ街道の1つです(街道の女王)。非常に頑丈なことで知られていますが、どのように作られたのでしょうか?

タモリさんは、石畳の石を触ってみます。固く丈夫な玄武岩です。この玄武岩は、もともとこの場所にあったものです。近くに火山があり、溶岩が流れてきたことがうかがえます。

早い出陣を可能にする、強固でまっすぐなアッピア街道のおかげで、ローマは南イタリアを平定することができました。地質を知ることで、国を治めたのです。アッピア街道に倣い、世界各地へローマ街道が敷かれました。

【後編】トレビの泉:ブラタモリ ローマ

ブラタモリは、ローマの通りを抜け、コロッセオの北にある、トレビの泉を訪ねます。

トレビの泉

トレビの泉は、ローマに約900もあるとされる噴水なかで、1番大きな噴水です。後ろ向きにコインを投げると、またローマに来ることができるとされます。ブラタモリ後編のテーマは、ローマは水なしにはならずです。

※トレビの泉は、古代ローマの皇帝アウグストゥスが、ヴィルゴ水道(アクア・ヴィルゴ)から水を引いて造られた泉が起源です。

水のある街

ブラタモリは、ローマの街を歩きます。すると、水を流しっぱなしの水道栓があります(写真中央)。水道栓は、街に2500あると言われます。

  • アクセス:トレビの泉から、東側のラヴァトレ通りを進む。

ローマ水道橋公園:ブラタモリ ローマ

ブラタモリは、ローマの南東部にある、ローマ水道橋公園を訪ねます。80キロ離れた水源から、水を運ぶために利用された、水道橋が残っています。水道橋は、上部に水がを通します。なかには、2階建ての構造となり、2つの水道が合流したものもあります。

古代ローマには11本もの水道がありました。ローマには100万人以上の人が住んでいた時代もあったと考えられ、ローマ皇帝は、インフラの整備で権力を示す傾向がありました。11本の水道うち、6本がローマ水道橋公園内を通過しており、その一部が残っています。

タモリさんが水道橋を触ってみると、凝灰岩からできているようです。黒い粒のようなものが見られるため、イタリアではペペリーノ(コショウ凝灰岩)と呼んでいます。加工のしやすさと頑丈さを兼ね備えます。かつては、毎秒4トンの水が流れていました。

水道橋は、よく見ると、わずかに勾配があります。水道は、一定の勾配を維持しやすい地下部分が多くあります。地上に出る部分では、高低差を保つために、窪んだ場所では水道橋の形を取っています。

ローマの街なかの水道橋の痕跡

ローマの街なかには、水道橋の痕跡が残っています。ブラタモリは、ポルタ・マッジョーレ門を訪ねます。上部は、2階建て形式で2本の水道が通っていた痕跡が見られますが、写真のように両側はすでになくなっています。水道の下部は、門になっています。

タモリさんは、右手の丸穴の空いた構造物に注目します。文字を見ると、マルクス・ウェルギリウス・エウリサケスさんという方のお墓だと分かります。

上の方にある浮き彫りを見ると、ロバで石うすを回し粉を挽かせている様子、大きな釜で何かを焼く様子がわかります。これは、紀元前1世紀の奴隷出身のパン屋さんのお墓だったものです。

門もお墓も、多くの人が通り目立つ街道の合流点に作られました。しかし、3世紀の終わりにローマが移民族の攻撃を受け始めると、防衛の要所となり、ローマの城壁の一部となりました。

ローマとお風呂:ブラタモリ ローマ

古代ローマでは、1人あたり1000リットルもの水を使うことができました(現在の標準の約5倍)。ローマに城壁ができ守りに入った3世紀、豊富な水を使ったある施設が作られました。

ブラタモリは、共和国広場 (Piazza della Repubblica) を訪ねます。この場所は、ローマ最大のお風呂(ディオクレティアヌスの浴場の内部にあたります。

ふり向くと、お風呂に備えられた劇場の形を生かして、その上に立てられた建物が見えます。お風呂の周りには公園があり、劇場や図書館も備えていたのです。周辺には、大理石を使った運動のための広場の跡も見られます。

ローマの衰退

3世紀、巨大浴場に象徴される繁栄を誇ったローマでしたが、4世紀には首都が移転し衰退が始まります。6世紀、戦争による水道橋の破壊を経て、お風呂は維持できなくなり廃墟になってゆきました。6世紀、ローマでは、100万の人口が、3万人まで落ち込んだと考えられます。

その後1000年を経た16世紀、キリストの弟子ペトロが眠り、ローマカトリック教会の総本山・バチカンを持つローマは、 キリスト教の力で 再建されます。とくにミケランジェロは、ルネサンスの思想のもとに、ローマの再興を図りました。

浴場を再建した、サンタ・マリア・デリ・アンジェリ教会

ブラタモリは、共和国広場 (Piazza della Repubblica) に戻り、サンタ・マリア・デリ・アンジェリ教会を訪ねます。ミケランジェロが、古代の浴場の設計を再利用しデザインした建物です。

教会内部の目に見える構造は1700年前のままです。ドーム状の天井の高さは30メートル! タモリさんが注目した、継ぎ目のない花崗岩の柱は、エジプトから運んだものでした。

スペイン広場:ブラタモリ ローマ

ブラタモリは、トレビの泉の北にあるスペイン広場を訪ねます(名前の由来はスペイン大使館)。手前のバルカッチャの噴水は、ルネサンス期以降、ローマ教皇の指導で作られました。噴水は、ローマ繁栄の象徴として、とくに力を入れて再建されました。

スペイン広場は、ローマで一番のにぎわいを見せる場所で、映画『ローマの休日』で、アン王女(オードリー・ヘップバーン)がジェラートを片手に、階段を降りてくるシーンで知られています。

※ブラタモリの見逃し配信を行っているU-Nextでは、『ローマの休日』を会員(初月無料)は無料で見ることができます。【ブラタモリ見逃した?】再放送予定と時間帯、無料配信もあります

地下を流れる水道

バルカッチャの噴水は、アクア・ヴィルゴと呼ばれる、古代の水道が使われています。ブラタモリは、2000年間使われ続けてきた地下を通る水道に入ります。1500年前に作られた、117段の階段を下ると、水の流れが見えます。タモリさんの腰の深さほどある、冷たい水道でした。トレビの泉にも、この水道の水が流れています。

地下の水道には、アーチの形が異なる場所があります。2000年の間に何度も補修され、大切に使われてきたのです。

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