水戸偕楽園 県外客のみ有料化の愚策。賛成・反対の口コミは?

2019年2月12日、耳を疑うようなニュースが飛び込んできました。梅が名高い水戸偕楽園が、県外客のみ入園有料化(300円程度)を決めたというのです。茨城県と言えば、観光イメージ調査最下位の常連で有名。なぜ、貴重な県外客の反感を買うような愚策を行うのでしょうか? 賛成・反対の口コミも紹介。

茨城県は観光イメージ調査最下位の常連

画像:NHKウェブより

茨城県は、観光イメージ調査(ブランド総合研究所の地域ブランド調査)で7年連続最下位となっています(2019年も最下位)。国営ひたち海浜公園の花畑で注目を集めているものの、全県的には観光地に乏しく、東京から近いにも関わらず大苦戦しています。

関連:【魅力度最下位】茨城に人気がない理由を現地取材 本当に何もない?

観光資源に乏しい茨城県のなかで、梅の季節を中心に県外から40万人が訪れる偕楽園は、貴重な観光資産です。

しかしながら、今回の措置は、県外客のみ入園有料化というもの(2019年秋から)。江戸時代の建物風の休憩所の建設費などに充てるとのことで、入園料の徴収自体は悪いことではありませんが、県外客のみという措置は、イメージが悪すぎます。観光イメージ調査5年連続最下位となった県が行うべきことではないでしょう。

偕楽園 県外客のみ有料化への賛成・反対の口コミは?

偕楽園 県外客のみ有料化というニュースへの口コミを集めてみました。

  • 【賛成】兼六園、後楽園は有料なのに今まで無料で開放していたのが凄いと思います。有料化して施設を整備してより良い偕楽園になってほしいです。
  • 【反対】県外の人を差別しているから、魅力度ランキングが低い。無料にして、魅力度を増やしてください。多くの人が訪れれば、地元が潤います。
  • 【反対】日本三名園すべてに訪問したことがありますが、兼六園・後楽園は日本庭園美を感じることが出来ますが、、偕楽園は美景という点ではイマイチと感じました。
  • 無料だから気軽に散策できるのが素晴らしかったので、お金を払ってまで積極的に行きたい場所ではない気はします。

上記はYahoo!ニュースのコメントによります

【賛成】

【反対】

【賛成】

【反対】

水戸偕楽園のライバル熱海梅園

茨城県が考えるべきことは、目先の1億円の増収ではなく、県全体の観光の活性化によるより幅広い経済効果です。梅園と言えば水戸の偕楽園ですが、近年はライバルも増えています。その代表格が熱海梅園(写真)です。

熱海は、2011年頃に、宿泊客数がピーク時の半分以下(246万人)に落ち込みました。しかし、現在は3年連続で300万人をオーバー。このV字回復の要因の1つは、早咲きの熱海梅園の人気です。以前はあまり知られていませんでしたが、今は多くの人が訪ねています。

熱海梅園の料金は、不平等感がない

その熱海梅園の料金はどうなっているのでしょうか?

  • 熱海市民 100円
  • 熱海市内宿泊者 100円
  • 一般 300円

水戸偕楽園(県外客のみ300円を予定)と比べると、市民も応分の負担をしていることが分かります。また、市外の客も、熱海市内に宿を取れば同じ料金。熱海梅園の方がずっと公平感があることが分かります。

関連:【個人で取材】熱海の観光・ランチ・日帰り温泉ランキングを書きました!

東京から遠いのに料金は同じ?

  • 東京から水戸 1時間24分(3820円)
  • 東京から熱海 38分(3670円)

東京・水戸間と東京・熱海間は、ほぼ同料金です(JR特急指定席、新幹線自由席料金で計算)。しかし、時間は水戸がちょうど倍かかります。水戸の偕楽園は、熱海梅園以上に魅力を打ち出さなければ、勝負になりません。

(注)所要時間は、土曜日の10時発で調査。

水戸は、熱海のように温泉があるわけではなく、観光資源に乏しいです。本来は、あっちは有料だけど、水戸の偕楽園なら無料ですよと宣伝すべきです。

茨城県職員の話

水戸偕楽園の県外客のみ有料化の件を、茨城県職員に聞きました。

――いつからの有料化実施ですか?

秋からということで、具体的な月などは未定です。実施の方向ではありますが、ご意見を聞きながらの調整となります。

――県民のみ無料というのは? 魅力度が低いと言われる状況で、県外からの反感は?

茨城県民は、税負担をされているという観点から無料としました。県外の方からの反感も話し合いのなかで想定はしましたが、その辺も含めて意見を聞いてゆきたいと考えています。

以上が、茨城県職員の話です、メディアでは、すでに完全な決定というニュアンスで報道されていますが、実際には意見を聞きながらというスタンスです。

偕楽園全体が有料なの?

偕楽園では梅林が有名ですが、梅林は偕楽園の一部に過ぎません。写真は、偕楽園のなかですが梅林の外にある、好文亭(藩での勉強を一休みする場所)です。

好文亭から千波湖を眺めた絶景です。

秋から有料化を検討しているのは、この好文亭を含む偕楽園の本園と呼ばれる場所です。本園には、梅林、好文亭のほか、藩での勉強を深め思索にふける場所であった竹林も含まれます。

秋からはこの竹林の散歩も、県外人は有料となってしまいます。現在でも入館料(200円)がかかる好文亭はともかく、梅のない時期の竹林も有料というのは、少し高い気がします。

(注)茨城県職員によると、偕楽園が有料化された場合、好文亭も引き続き入館料を設定するのかは、今後の検討課題(未定)とのことです。

水戸偕楽園有料化よりも先にすべきことがある

以上、水戸偕楽園 県外客のみ有料化の愚策、でした。

茨城県は周知のように、都道府県魅力度ランキングで最下位に定着しています。いまやるべきことは、ライバルを研究し、観光客を増やし、その結果として県の経済を活性化することです。

上の写真で紹介したように、千波湖は水戸駅の近くにありながら、とても美しい湖です。熱海梅園にはあって、偕楽園にはない、温泉施設の建設などが期待されます。また、現在進んでいる水戸城本丸周辺の修復も目玉となるでしょう。

茨城県の人気が低い理由は、次の記事で分析してあります。

【魅力度最下位】茨城に人気がない理由を現地取材 本当に何もない?

水戸の魅力を発掘した、ブラタモリ水戸編の内容です。

【ブラタモリ水戸編】水戸の歴史・地形・観光ルートまとめ #61

コメントをどうぞ(情報ご提供、旅行相談など)

  1. トト より:

    斉昭公の思いを簡単に無視する大井川知事。
    大井川知事は魅力度ランキングの事ばかりしか気にしてないのでは?
    料金所には関係者が無駄に数人。
    しかも4ヶ所
    もっと意味が分からないのが南側に2ヶ所もなぜ?
    こんなに人件費やら料金所にお金を使って設備投資できるの?
    マジ疑問。
    知事はおもてなし、などと言いながら県外の方のみお金を取るって意味が分からん。
    何がおもてなし?

  2. seiji suzuki より:

    他県民を差別するシステムを平気で行う県・茨城県には行きません。
    金沢の兼六園、岡山の後楽園,その他有名観光地が数々ありますが入園料で差別している
    所は殆どありません。
    梅園は他に沢山あります、茨城県としては他県民は来てもらいたくはないのでしょう。

    スーパーひたちを利用しても通り過ぎて福島県に行きましょう。
    福島県の方が良い観光地が多く、そして復興にも寄与出来ます。

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