富岡製糸場に行かれる方のために、１月・２月・３月の入場者数の予測をしました（それ以降の計算式も示してあります）。また地元で話題になっている富岡製糸場の「失速」についてその原因を考えました。

富岡製糸場で発掘した３つのこと

①　１２月～２月の土日祝日、年末年始は１日３０００人前後の来場者数が予想される。
②　平日は５００人～１０００人の閑古鳥の状態が予想される。
③　失速の原因はリピーター不足と冬場の苦戦。なぜなのか？

富岡製糸場の混雑予想～１・２・３月と平日入場者数予測～なぜ失速？

 

富岡製糸場の混雑の目安

富岡製糸場は敷地面積自体はそれほど広くありません。現在内部を見学できるのが「東置繭（おきまゆ）所」「繰糸場（そうしじょ）」のみのため、２つの建物に人が集中することになります。しかし冬場は来場者数がかなり減っている状況です。

✔　入場者数が１日１０００人を切るとこの通りガラガラです。

✔　営業時間が８時間あり、１人あたりの平均見学時間が１時間程度のため、１０００人の入場なら１時間ごとの滞在数はわずか１２５人です。

✔　入場者数が１日１万人近くになるとこの混雑で身動きが取れなくなります（出典：公式フェイスブックページ）。

✔　したがって、１日の入場者数が５０００人以下（１時間当たり６００人程度）の日を狙うと良いでしょう。

富岡製糸場の月別の混雑状況

	入場者数
月	H25年度	H26年度	H27年度
4	22,652	38,821	87,337
5	31,634	★109,703	141,975
6	23,858	109,064	109,817
7	22,448	128,925	92,741
8	31,840	166,168	123,423
9	31,223	151,534	111,674
10	43,394	162,685	149,606
11	49,857	177,071	142,635
12	14,208	65,232
1	14,201	58,769
2	7,888	60,289
3	21,313	109,459
計	314,516	1,337,720

公式ＨＰより　2015/11/30現在

✔　富岡製糸場は平成２６年の４月末に世界遺産登録の勧告がありました。そのため世界遺産登録効果が出たのは、平成２５年の５月以降です。

✔　しかし平成２７年（２０１５年）の夏休みに早くも客足は失速。行楽シーズンの１０、１１月を除き前年の７割程度の来場客数となっています。

富岡製糸場の今後の混雑状況の予測

月の来場者のうち、土日祝日に７割程度が集中すると考えられます。そのため２０１５年１２月から２０１６年３月までの土日や年末年始なら次のように来場者数の見込みが立ちます（休日は月１０日程度と概算）。

 

富岡製糸場 裏！ 横浜赤レンガ倉庫みたい pic.twitter.com/nNrDlYDZTF

— たこ (@takopon1120) 2015, 12月 20

実際に１２月２０日（日）の来場者数は２１５１人でしたので、計算に大幅な狂いはありません。年末年始は３０００人程度になるでしょう。混雑感は以下が目安です。

✔　１日１０００人程度　閑散としていると感じる

✔　１日２０００～３０００人程度　思ったよりすいていると感じる

✔　１日５０００人程度　それなりに人はいるが十分に動けると感じる

２月までは入場者全員に４００円の地域振興券が渡されます。富岡製糸場に出かけるなら冬の時期がチャンスといえるでしょう。

富岡製糸場が早くも失速した原因

✔　富岡製糸場の入場者数が１日１０００人を切ると、近所の飲食店はこのような様子になってしまいます（時間帯は夕方）。こちらは「外国人も納得　富岡製糸場ランチ・食事・カフェのおすすめ」でも紹介した富士屋という有力なお店ですので、ほかはもっと厳しいでしょう。

✔　富士屋さんによれば富岡製糸場への観光客に「一度見たら十分」「入場料（１０００円）は高すぎる」という声が目立つといいます。

✔　以下の記事に触れたように要所を押さえれば何度も見る価値はありますし、１０００円は決して高くはありません（上信電鉄を利用すれば割引になります）。

【豆知識付】富岡製糸場　観光・見どころ・所要時間オールガイド

富岡製糸場が早くも失速しているのには次のような理由があるのではないでしょうか？

✔　見学者への事前ガイダンスの利用度はどうか。案内人、音声案内機、スマホなど十分に準備されてはいますが、「東置繭（おきまゆ）所」のビデオ放映時間の２０分はいかにも長すぎます。ほかの観光地と組んでおり忙しい旅行者が多いため、到着前にガイダンスを受けてもらうような仕組みが必要です。

✔　地元の飲食店の充実度はどうか。有力な観光地には必ず名物といえるランチ、食べ歩き、お土産が複数あります。上州富岡駅周辺はもともと地元向けの昔ながらの飲食店しかなく、また世界遺産指定後に急に開業した飲食店は心もとなさがあります。各飲食店の昭和的なイメージを逆手にとって、昭和の町のような売り出し方が可能かもしれません。

✔　ランチや土産の品質の確保はどうか。ランチ、土産とも品質の低下がないように上越市のように審査の仕組みを設けると良いかもしれません。鎌倉などの観光地で見かける人目を引くおもしろ商品を売る店も複数ありますが、どうでしょうか？

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✔　人気観光地は必ず「景観」「食べ物」「温泉」の３要素を持っています。景観については富岡製糸場でも十分ですが裏手の川をうまく生かせるかもしれません。食べ物は各商店任せではなく、人気観光地を見学し品質基準を設けるべきです。また軽井沢と組まれる観光地になると冬は厳しいです。近場の温泉行きの無料バスも必要かと思います。

✔　上信電鉄は運賃が高すぎるので工夫の余地があります。またローカル線としてのイメージの打ち出しも必要です。

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✔　富岡製糸場のポテンシャルは１日１０００人を切るようなレベルではないはずです。

 

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