
甲府駅周辺で、安くおいしいほうとうを探されている方や、分量、1人で入れるかなど心配事がある方のためのページです。
【結論】甲府駅南口 ほうとうがおいしい、おすすめ店は?


CELEOの文字が甲府駅南口です。甲府駅南口には、駅から近い順に「奥藤本店」「小作」のほうとう提供店が並びます。
※かんすけは閉店。
道が1本異なりますが、「ちよだ」も地元人気が高いお店です。また、甲府駅ビル内には、「信玄」が新たにオープンしました。

山梨県名物のほうとうは、山梨の農家で食べられていた日常食です。味噌味のスープに、かぼちゃなど野菜をメインとした具材を入れます。山梨県内のチェーン店は、小作が有名です。首都圏への出店はありません。
「小作」のほうとうは、1400円と少し割高なこともあり、地元民だけが知る安い名店はないだろうか? と考えるのが旅行者です(筆者もいろいろ探し回りました)。
しかし、食べ比べてみると結局、専門店の「小作」が1番良いと分かります。背景には、材料費や調理時間などの関係から、競合店が出現しづらいことがありそう。初めてなら、安さにこだわり過ぎず、小作を選ぶのがおすすめです。
場所 | 価格 | 麺 | スープ | 評価 | |
小作 | 甲府駅南口すぐ | 1400円 | ◎太く硬い | ◎野菜が溶け込み滋味が深い | ほうとう専門店で、全く妥協なし。小上がりの写真がよくヒットするが、じつはカウンター席ありで1人でもOK。 ※北口駅前店は大テーブルのみ |
奥藤本店 | 甲府駅南口すぐ | 1300円 | やや細い | そばつゆ系 | もつ煮やそばが有名な店で、ほうとうはセルフ調理。2名席あり(1名でも利用できます)。 ※甲府名物もつ煮なら、トップのお店。 |
ちよだ | 甲府駅南口数分 | 1240円 | 太い | まずまず | つけ麺的なほうとうであるおざら(770円)の元祖店。ほうとうでは多過ぎる方にも。グループ客が多い印象で、1名なら夕方のうちに。 |
信玄 | 甲府駅ビル | 1200円 | 柔らかい | あっさりめ | 柔らかい麵で、本格派ほうとうとは異なります。多メニュー展開のお店。 |
朝食にほうとうなら、ドーミーインがおすすめ
ドーミーインは甲府に2つあり、地元資本の似たホテル(ほうとうを提供)もあります。→ 甲府の温泉重視ホテルランキング
駐車場が必要なら、郷土料理信州へ
【おすすめ】味なら専門店・小作のほうとう。1名席新設、大人数でもOK。


誰もが知る、ほうとうの有名店が小作。小作甲府駅前店は、甲府駅南口を背に30秒ほど下ると、左側にあります。

メインの建物は小上り。いろりがモチーフで風情がありますが、大人数向けです。

人数が少なめのグループは、中でつながっている新しい建物のテーブル席に案内されます。

1名の場合は、壁向きのカウンター席に案内されます。
甲府駅北口の小作は、大テーブルのみ
小作は、甲府駅北口側にもありますが、複数の大テーブルしかなく、やや落ち着かないお店です。北口側在住の地元の方も、甲府駅前店まで足を延ばすことがあるそうです。ただし、甲府北口店は、平日はすいていることもあり、時間帯によってはゆっくり食べられます。
小作のほうとうはサイズ感がすごい!


小作のほうとう(1400円)です。サイズ感がすごい!
ほうとうは、20分ほどで出てきました(お客の入りが半分くらいの時間帯は、10分で出ます)。小作では、太い麺と大きな具材をはじめから調理するため、時間がかかります。他店では、つねに10分程度で出てくる傾向です。

ほうとうを安く提供している「かんすけ」(すでに閉店)と比べると、具材が大きく豊富です! また、駅ナカでテナント料が高いと思われる「信玄」は、かぼちゃ以外は小さいです。ゴロゴロ野菜は小作だけ。
具材は、かぼちゃ(2個)、ゴボウ、はくさい、さやえんどう、山菜、刻みネギ、しいたけ、にんじん。ジャガイモ2個、さといも2個は、麺の下に隠れていました。

ほうとうの象徴でもあるかぼちゃは、驚きの巨大サイズ!
だし汁には野菜の味が良く浸透し、2日目の鍋のような滋味深い味になっています。ほうとうの麺は太く硬いのが特徴で、「かんすけ」(閉店)と大差ないように思いましたが、野菜の分量がけた違いで、だし汁の味も小作が上です。
駅ナカの「信玄」は、麺が柔らかく、うどんに近い味わいです。
食べきれない方は、2人でシェアかおざらに


小作のほうとうは、分量が多く女性では少し厳しいです。2名なら小作でシェア、1名なら分量が常識的な「奥藤本店」のほうとう、あるいは「ちよだ」のおざらという手もあります。
麺はほうとうとは異なり、つるりとしたのど越しの良い麺です。つけ汁は、具材は少な目ですが、ダシはさすが専門店と言えるもの。
ただし、ほうとう未経験の方は、まずは小作のほうとうがおすすめ。食べきれる自信のない方は、分量がやや少な目の奥藤が候補となります。ページ後半に掲載しています。
なぜ甲府では、小作が強いのか?


小作のほうとうは分量が多く、芸能界大食いNo.1決定戦優勝経験もある蛭子能収さんも「多い…」と漏らしています。
しかも多いだけでなく、麺・具材・スープとも完璧と言える完成度です。なぜ、甲府では、小作が強いのでしょうか?
ほうとうは、野菜たっぷりのため原価率が高く、提供に20分(混雑時)かかるため、客の回転率が低くなります。そのため、小作と同等のほうとうを同等の価格帯で提供するのは難しく、ライバル店が出現しないのでないかと思います。
また、地元の方は、ほうとうを常食されているわけではありません。知名度は高いですが、観光客にニーズが限られます(甲府はクルマ社会ですが、ほうとう店は駅前に集中しています)。それも、ライバル店が現れない理由でしょう。
ほうとうに似た「おざら」の元祖店 地元人気のちよだとは?


ほうとうは、「小作」が圧倒的に強いのですが、「ちよだ」も地元客から人気を得ています。
飲み屋のイメージが強いお店ですので、食事なら夕方がおすすめです。
ちよだは、ほうとうの冷やしつけめん版である、おざら(770円)の元祖店と言われています。またちよだは、おざらの麺を温めて出すのゆもり(770円)も提供しています(ゆもりは、平日のみ)。

写真は、ちよだのゆもりの小サイズです。小サイズでも、それなりのボリュームがあります。麺は、ゆもりでもおざらでも、小作ほどは硬さがありません。ほうとうらしい硬い麺を望む場合、小作が良いでしょう。
一方、小作の大ボリュームは多すぎるという時に、おざら、ゆもりは重宝します。
なお、ちよだのもつ煮は、写真の奥に写っているように、一般的な豚のもつ煮です。奥藤本店が得意とする、甲府名物の、きんかんも入った鳥もつ煮とは異なりますのです、旅行者は別のメニューでも良いでしょう。
ちよだには、旅行客は少なめで、地元の常連客が多くいます。店員さんも、常連客は顔を覚えて対応しています。地元客が多い店のイメージなら、ちよだがおすすめです。グループが多い店ですので、1名なら夕方の空いている時間帯が、おすすめです。
マツコが「泊まりたい」と2度発言した宿(露天風呂がお目当て)
【ほうとうの歴史】ほうとうを、甲府市民は食べないってほんとう?


甲府市民は、ほうとうをあまり食べないというのは、ほんとうなのでしょうか?
地元の方に聞いても、家で作ったり、食べに行ったりすることはあまりないそうです。その理由は、ほうとうの歴史を知れば分かるかも知れません。
平安時代の枕草子に「はうたう」が出てきますが、上流階級向けの蒸し菓子だったようです。明治時代になると、農作業のあといろりを囲んで、庶民が現在と同じほうとうを食べるようになりました。寒い地域に合うだけでなく、複数の調理器具やおかずの準備がいらないことから重宝され、残りは翌朝食べていました。
しかし、1965年にテレビでほうとうが紹介された頃には、いろりもなくなり、若い人にとって、ほうとうは少し照れくさい食べ物になり、家庭からは廃れます。しかし、その後、観光客向けの料理として復活しています。
(1998年5月23日『朝日』の内容を要約)。
甲府市民は、ほうとうをあまり食べなくなったのは、いろりで簡単にできるほうとうのメリットがなくなり、あまりおしゃれではないイメージが残っているからかも知れません。
奥藤本店は、甲府名物・鳥もつ煮やそばをメインに、ほうとうも食べたい人向け


甲府では、ほうとうと並ぶ名物が鳥もつ煮です。甘辛の深い味の料理で、一般的な鳥もつ煮のイメージとは全く異なります。
元祖は、奥藤本店です。奥藤本店では、鳥もつ煮を前面に出しつつも、ほうとうも提供しています。奥藤は、上品な店ですが品数が多く、飲み屋の機能もあります。

奥藤本店のメニューです。卓上セルフ調理のほうとうは、1300円。鳥もつ煮は、1人前が730円です(2~3人前は880円)。

甲府鳥もつ丼(1080円)も隠れた人気メニュー。
右側は、ほうとうの作り方です。なお奥藤本店は、本来は鳥もつ煮と手打ちそばの店です(写真、価格は変わっている可能性があります)。
奥藤のほうとうはセルフ調理

奥藤本店のほうとうの初期状態です。強火から調理をスタートします。

奥藤本店のほうとうの麺です。本格的な手打ちです。
分量や厚みは、小作に譲りますが、一般的な量を食べたい場合、奥藤本店の存在は助かります(小作は、分量が想像以上に多くなっています)。

奥藤は、そばつゆのノウハウを生かした独自のスープで麺は手打ちですが、卓上コンロの火で仕上がるように、麺やかぼちゃは薄め。地元の方の情報でも、ほうとう目当てなら小作を選ぶということです。
また、醤油とダシを利かせており、小作の野菜のうまみが溶け出した汁とは、味わいが異なります。

奥藤本店の売りは何といっても鳥もつ煮。鳥もつ煮に注目しつつ、ほうとうもという場合、奥藤本店がおすすめです。
奥藤本店の鳥もつ煮は、1度は試してほしい味ですし、ほうとうは分量が手頃というメリットもあります。なお、奥藤本店は、JR身延線の国母駅にもお店があります。
甲府駅 ほうとうのお土産・テイクアウト


甲府駅でほうとうをお土産にするなら、麺が太くて硬い、小作がおすすめです。甲府駅前店(南口)では、麺の持ち帰りを実施しています。
小作甲府駅前店(南口)
- 生麺(1箱、3人前) …賞味期限3日間。お店と同じ麺。
- 調理済みのほうとう …店内と同価格
なお、小作では通信販売も行っていますが、クール便の送料と代引き手数料が1435円(甲府→東京都)かかりますので、持ち帰った方が安くなります。
地元民が選んでいる平井屋のほうとう

日持ちする麺がよいなら、地元民がよく選び、甲府周辺のスーパーでよく見かける平井屋(公式サイト)がおすすめです。スープ付き、具材付きもあり、便利です。地元の家庭向けのため、秋冬のみの扱いとなる販売店もあります。
甲府駅ビルでは、扱っていません。甲府駅北口徒歩10分のオギノ朝日店(地図)が1番駅に近いお店です。このほか、甲斐善光寺に行く方はオギノ城東店(地図)、石和温泉泊の方はザ・ビッグ石和店(地図)が便利です。
甲府駅ビル2階の「甲斐の味くらべ」

甲府駅ビル(セルオ甲府)2階の「甲斐の味くらべ」では、信玄餅の桔梗屋製のほうとうである、権六ほうとう(製造は甲府市の志村製麺)を扱っています。
甲府近郊のほうとう店は?
甲府から足を延ばすなら、山梨市の「ほうとう 歩成」が、まとめ記事ではよく推奨されます。昇仙峡で行われる投票によるコンテストで3連覇したためですが、コンテスト自体の参加店が10店弱で、小作やほうとう不動は参加していません。甲府駅周辺なら、小作で問題ありません。
ほうとうの個人店が強いエリアは、甲府からは離れた勝沼・塩山です。「皆吉」(食べログ3.5点)、「ほうとう処いしはら」(同3.4点)に人気があります。「ほうとう 一味家」は閉店しました。
また、穴場は、塩山の「甲州 完熟屋 本店」。食べログでは3.1点と低評価ですが、これは最寄りが観光客の少ない塩山駅であり、書き込みが少ないことが理由。今後、必ず上がってくる店です。
【追記】3.4点まで上がりました(2020年11月)。
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