ブラタモリ黒部峡谷編で、タモリさんが、黒部峡谷の電源開発の軌跡を紹介します。このページでは、ブラタモリ黒部峡谷編の内容、ロケ地、アクセスを分かりやすくご紹介します。
黒部ダム編 【ブラタモリ黒部ダム 全ロケ地】タモリさんアルペンルートへ #86 87
富山でブタラモリ | 内容 |
黒部峡谷(#258・259) | 富山側から黒部ダムを目指したルートです。黒部ダム編(長野側から黒部ダム)をあわせてご確認ください。 |
富山(#192) | タモリさんが、富山に「富」をもたらした、地形の秘密に迫ります。 |
立山(#88) | 標高2450mに平地が広がった稀有な場所が立山。理由を探るために、ミクリガ池を訪ねます。 |
黒部ダム(#86,#87) | 黒部ダムを難工事にした破砕帯。地下水を溜め込んだ軟弱地層との戦いは、映画で知られます。 |
黒部峡谷とは
黒部峡谷は、富山県黒部市に位置する、黒部川の上流から中流に広がるV字谷です。
山頂と谷底の高度差は1500~2000メートルに及び、日本で最深の峡谷地帯を形成しています。黒部峡谷は、黒部峡谷鉄道でしか訪れることができない秘境の地で、冬は深い雪に閉ざされます。
北陸新幹線の黒部宇奈月温泉駅から、富山地方鉄道で宇奈月温泉駅へ|ブラタモリ黒部峡谷
ブラタモリは、北陸新幹線の黒部宇奈月温泉駅広場からスタートします。トロッコ電車が展示されています。
タモリさんは、黒部川扇状地を新幹線の車窓から見るのが好きで、1度来てみたいと考えていました。
旅のお題は「黒部の絶景は電源開発の軌跡にあり?」。タモリさんが以前に訪ねた黒部ダムも電源開発の歴史の1つ。黒部川の上流にあたります。黒部川の下流にあたる黒部宇奈月温泉駅から、人が足を踏み入れるのも困難な黒部峡谷を経て、黒部ダムを目指します。
【ブラタモリ黒部ダム 全ロケ地】タモリさんアルペンルートへ #86 87
今回のブラタモリは前後編に分かれます。まず富山地方鉄道で宇奈月温泉駅を目指します。隣接の宇奈月駅から、黒部峡谷トロッコ電車で欅平駅へ。欅平駅から先は、工事用のルートを進みますが、2024年に観光用に開放されることが決まっています。
富山地方鉄道に乗車
富山地方鉄道では、舌山駅の古い駅舎が紹介されました。その後、黒部川が作った扇状地の上り傾斜を感じながら進みます。
車内では、富山湾の宝石、白エビの昆布締めを堪能します。
富山地方鉄道の下立駅で途中下車。横幅の狭いホームが印象的でした。徒歩で愛本橋を訪ねます。(地図)
愛本橋から、水量豊富な黒部川の下流が見えます(写真左手方向)。ここは、扇状地の始まり扇頂にあたります。
この付近は、両岸の地質(火山岩の中でも緻密で固いものが多い)の関係で川幅が狭くなっており、完全な扇形の形をした扇状地ができました。日本一美しい扇状地と呼ばれます。
黒部川扇状地は、新旧の扇状地が複雑に重なりあった合成扇状地としての側面もあります。
富山地方鉄道・宇奈月温泉駅|ブラタモリ黒部峡谷
宇奈月温泉駅前は、黒部峡谷観光の拠点。宇奈月温泉の温泉噴水が沸いています。温泉は約60度でした。
宇奈月温泉駅は、電源開発の最盛期には、資材などを管理する前線基地でした。なぜ、この場所に温泉地があるのでしょうか?
宇奈月温泉の泉源は、黒部川上流の黒薙(地名)です。大正12年に引き湯をはじめ、以来約50年間、赤松をくり抜いた木管で湯を引いていました。
木管は、長さ約2m、太さ約60cm、重さ約150kg。およそ3500本を人力だけでつなぎ合せ、埋設されました。現在では全部がポリエステル製になっています。
宇奈月温泉は、工事関係者の厚生・娯楽の基地として誕生しましたが、目的はほかにもありました。温泉地として観光開発を進めようという計画があったのです。
ブラタモリは、宇奈月温泉駅近くの観光案内所前の飲泉場所で飲泉をします(地図)。宇奈月温泉の湯は、つべつべ温泉(富山弁でツルツルすべすべ)と呼ばれます。想像以上に湯温が高く、7キロ先から運んできたとは思えないものでした。
ブラタモリは、低速電気バスEMUに乗車し、黒部川を渡った先の想影展望台を訪ねます(地図)。崖が切りたち、滝の流れが見えます。温泉旅館街は、高台になっているようです。
電源開発の前線基地は、河岸段丘上に作られたのです。宇奈月は、険しい黒部川添いに残された、わずかな平らな土地だったのです。河岸段丘上からは絶景を望むことができ、観光開発にも最適でした。
タモリさんが特に評価している河岸段丘
【ブラタモリ沼田・全ロケ地】フランスの教科書に載った河岸段丘へ#31
宇奈月温泉周辺の黒部峡谷の紅葉は、非常に美しく人気があります。
黒部峡谷トロッコ電車|ブラタモリ黒部峡谷
黒部峡谷トロッコ電車は、富山地方鉄道・宇奈月温泉駅近くの宇奈月駅から欅平駅を結びます。年間約30万人が訪れます。
黒部峡谷トロッコ電車は、1925年(大正14年)に建設されました。線路幅が狭く、小型の電気機関車が使われています。
黒部峡谷トロッコ電車には、様々な車両があります。3100形リラックス客車は、レトロなデザインで窓を閉めることも可能です。
戦前には、作業用のトロッコへの相乗りの形で、観光客を迎えていました。命の保証はありませんという自己責任の形でした。
車窓のうなづき湖とお城のような発電所(新柳河原発電所)を見学します。平成5年に完成した、比較的新しい発電所です。
ブラタモリは、通常途中下車できない猫又駅で、特別に途中下車します。
高さ約200mのねずみ返しの岸壁が見えます。ダムと水力発電所の間には高低差が必要。黒部川は高低差が十分で水量も豊富で、発電には向いています。
黒部川には、橋脚のような痕跡があります。現在は黒四ダムが有名ですが、これは「黒一(黒部第一)」にあたる堰の痕跡。下流の柳河原発電所とセットで、黒一となります。
改めてトロッコに乗ると、黒部第三発電所が見え、終点欅平駅に到着します。黒部川第三発電所、新黒部川第三発電所の2つが見えます。
黒部峡谷の電源開発は、大正時代に始まりました。
1917年(大正6年) 標高差と水量豊富な黒部の水力発電の可能性が注目され調査始まる
1923年(大正12年) 宇奈月~猫又(タモリさんが途中下車、黒一の堰の痕跡)間の軌道の開削に着手
1927年(昭和2年) 柳河原発電所(黒一の発電所部分)が完成(1992年に廃止)
1940年 黒部第三発電所(欅平駅から見える)が発電を開始
1970年代 戦後の急速な経済復興で電力不足が深刻化。関西電力は関西地域の電力不足を解消するため、黒部川第四発電所(関西電力上部専用軌道の鉄橋上の駅から見えた発電所)の建設を決める。
【後編】2025年(予定)に観光ルートとして運行開始される黒部宇奈月キャニオンルートを一足先に体験!|ブラタモリ黒部峡谷
後編の猫又駅~欅平駅間は、少し上の前編の末尾に掲載しました。後編の旅のお題は、前編に引き続き「黒部の絶景は電源開発の軌跡にあり?」です。
ブラタモリ黒部峡谷の後編は、黒部峡谷トロッコ電車の終点・欅平駅の先、電源開発の工事用ルートへ。2025年(予定)に観光ルートとして運行開始される「黒部宇奈月キャニオンルート」を一足先に体験します。
欅平駅から先は、非常に勾配が急になり、欅平駅までのようなトロッコ電車の仕組みでは、上ることができません。
新宿の50階建ての高層ビルに匹敵?黒部川の高低差を克服するためにつくった超巨大エレベーター|ブラタモリ黒部峡谷
黒部峡谷トロッコ電車が走る欅平駅までは、10両編成のトロッコが運行していますが、欅平から先の工事用の線路では3両編成に激減。乗車は数分です。
ここから先は、ほぼ全線が地下となります。
数分の乗車で車両を降り、竪坑エレベーターに乗り換え。貨車を積み込むことができます。欅平は599m、山の中を垂直に200mも上昇します。重機がない時代に、2年がかりで作られたものです。
エレベーターを降りると800m地点。欅平とは、また違った高い山々を水平に見るような絶景が広がります。日本最大級の岩の壁を間近に見ることができます。
今度は、関西電力上部専用軌道に乗り換え。電気機関車ではなく、蓄電池式の小型機関車がけん引する、小さな車両です。
マグマがもたらす灼熱の岩壁!どうやってトンネルを掘った?|ブラタモリ黒部峡谷
関西電力上部専用軌道に乗ると、間もなく高熱隧道を通ります。高熱が工事の行く手を阻んだ、最大の難所です。岩盤の温度は、最高で166度にも達しました。現在でも40度の温度があり、耐熱式の車両が採用されています。
どのようにトンネルを掘り進めたのでしょうか? トンネルを掘る人の後ろに水をかける「かけ屋」がつき、その後ろにも「かけ屋」が控え、水を浴びながら工事が進められました。作業員は20分ごとに交代しました。
この地点の地下には、大量のマグマがあります。通常マグマは数キロ地下にありますが、ここでは、500万年前の花こう岩、100万年前の花こう岩が対面しており、その間を熱を伝える通り道(断層)になっているのです。
関西電力上部専用軌道の乗車は30分ほど。ほとんどがトンネルですが、黒部川を渡る鉄橋で地上に顔を出し、駅が設置されています。
仙人谷ダムが見えます。仙人谷ダムと下流の発電所からなる黒三は、日本の経済復興を支えました。仙人谷ダムの近くには、黒四の発電所部分があります。
黒部川を渡る鉄橋の下にある鉄管は、発電所同士で水を再利用するために渡されています。
黒四ダムに向け、600mもの高低差をクリアします。タモリさんは、インクライン(傾斜鉄道)と、バスを乗り継ぎます。
旅のゴール・黒部ダムでタモリさんがつぶやいたこと|ブラタモリ黒部峡谷
タモリさんは、ブラタモリ黒部ダム編以来、6年ぶりに黒部ダムを訪ねます。「また同じ道を帰るの?」と一言。
下はタモリさんが6年前、長野県側から黒部ダムを訪ねたときのルートです。今回の黒部峡谷編は、富山側から黒部ダムを目指しました。
【ブラタモリ黒部ダム 全ロケ地】タモリさんアルペンルートへ #86 87
富山でブタラモリ | 内容 |
黒部峡谷(#258・259) | 富山側から黒部ダムを目指したルートです。黒部ダム編(長野側から黒部ダム)をあわせてご確認ください。 |
富山(#192) | タモリさんが、富山に「富」をもたらした、地形の秘密に迫ります。 |
立山(#88) | 標高2450mに平地が広がった稀有な場所が立山。理由を探るために、ミクリガ池を訪ねます。 |
黒部ダム(#86,#87) | 黒部ダムを難工事にした破砕帯。地下水を溜め込んだ軟弱地層との戦いは、映画で知られます。 |
😎見逃した方はこちらから
ブラタモリ日本の温泉 | ブラタモリ過去の放送回一覧 | タモリさん、オールナイトニッポンSP |
坂タモリ出版 推奨の坂は?(第8位で紹介) | 史上最大の反響「ブラタモリフォッサマグナ」 | ブラタモリ公式サイト |
ブラタモリ「奇跡の編集力」 | ブラタモリ書籍一覧 | タモリさんが監修!カレーうどん千吉 |
😎過去回ロケ地 完全収録
ブラタモリが、長岡→燕・三条→新潟市を、信濃川なしには語れない地域としてまとめてくれそう!😎
— ブラタモリ (@buratamori2018) August 27, 2023
漏れる糸魚川、上越、村上などは北前船航路でカバー🚣♂️
信濃川、北前船で理解しやすく全県を売り出せば、まだまだ観光客は来そう!
動画は十日町市に信濃川が作った河岸段丘で、このエリアもカバー。 pic.twitter.com/pFJF4tlKW3
コメントをどうぞ(情報ご提供、旅行相談など)