NHK番組・ブラタモリフォッサマグナ編で、タモリさんが日本列島の起源を紹介しました(11月20日)。このページでは、フォッサマグナパークなど、ブラタモリ・フォッサマグナ編のルート、内容、関連情報をくわしくご紹介します。(再放送・見逃し情報はこちら)
後編にあたるブラタモリ糸魚川編もあとからご確認ください!
現地をお訪ねの方へ(詳細や写真はページ内にあります)
- 糸静線が通る個人宅 …渡辺酒造店 豊醸蔵(地図)
- 糸静線の露頭 …フォッサマグナパーク(地図)
- 砂岩泥岩互層 …地図が示す山寺集落と展望台を結ぶ道路の、集落を出てすぐの辺り(地図)
- 枕状溶岩 …下根知農村公園(地図)
- 高さ15mをはじめとした巨岩群 …月不見の池のジオサイト(地図)
- 棚田 …月不見の池(地図)の南東、航空写真を表示すると分かりやすい。屋根集落の南。
熊の出現情報がありますので、ご注意ください。
ブラタモリ・フォッサマグナ
ブラタモリは、糸魚川の市街地南10キロにある、根知集落(地図)からスタートします。山に囲まれた集落です。
JR大糸線、根知駅。
糸魚川-静岡構造線やフォッサマグナがキーワードとなる場所。ブラタモリのテーマは、日本はどうできた?です。糸魚川は、世界でも有数の自然の資産があり、日本初のユネスコ世界ジオパークに認定されています。
フォッサマグナとは?|ブラタモリ・フォッサマグナ
日本列島の鉱物資源を調査すると、あるラインより西に、古い地質が集まっていることがわかります。この地質境界を、糸魚川-静岡構造線と呼びます。
糸魚川静岡構造線は、日本列島の折れ目にあたるフォッサマグナ(ラテン語で大きな溝)の西側にあたります。
地下深くには、フォッサマグナの部分が落ち込んだ時にできた南北方向の断層があり、そこを通ってマグマが上昇し、富士山、八ヶ岳、黒姫山、妙高山などの火山列ができたとされています。
いもり池から見た妙高山です(【上越妙高駅】周辺の観光・絶景スポット・温泉・ランチを完全ガイド)。
幅100キロに渡る(上の図の説の場合)フォッサマグナの裂け目には、新しい時代の岩石が詰まっています。富士山も東京都もフォッサマグナの範囲にあります。
※東京都は東の境界線の説によります。なおフォッサマグナの範囲にある古い地層は関東山地で、崩れずに残った場所です。
渡辺酒造店 豊醸蔵を訪問|ブラタモリ・フォッサマグナ
ブラタモリは、渡辺酒造店 豊醸蔵 (地図) を訪ねます。
タモリさんが、渡辺酒造店の敷地内にある、2ヶ所の井戸水を飲むと、味が異なります。敷地内の小川が、糸静線の真上に流れているのです! 小川は、建物内にも流れています。つまり、個人の敷地を糸静線が横切っているということなのです。
- 見学した場所 ①マンホール形式のふたをされた井戸(水が硬い)、②もう1つの鉄製のふたをされた井戸(水が柔らかい)、③ ②のそばを流れる糸静線上の小川(井戸の方向が南)、④建物内に流れる板のふたをされた小川
2つの井戸は糸静線をまたいでいるため、岩石が異なり、水の味が異なるのです。
フォッサマグナは、大陸から日本列島が分かれるときに、「ぐわっと」真っ二つに割れた部分です。大きな溝ができ、そこに土砂や、火山の噴出物がたまってゆきました。もとは海峡だったのですが、徐々に土砂などで埋まっていったのです。
渡辺酒造店 豊醸蔵では、「根知男山」という日本酒を製造から販売まで手掛けています。男山は、もとは8代将軍・徳川吉宗の御膳酒になったと伝えられている名酒で、全国に約20の酒蔵があります。糸静線を流れる水で作られたものです。
※大阪・伊丹が発祥で、現在は北海道の酒蔵が跡を継いでいます。
糸静線の真上で採れた水を使ったお酒は、甘く飲みやすく、コメがしっかり感じられ、フルーティーな香りが一面に漂います(根知男山 純米酒の場合)。
渡辺酒造の根知男山は、糸魚川駅前の物産店などでも扱いますが、写真の銘柄や、小サイズは、お店でしか手に入りません。
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日本列島の基本的な形ができた理由をフォッサマグナパークで探る
ブラタモリは、フォッサマグナパークを訪ねます。糸魚川-静岡構造線が直接見学できる場所です。東がフォッサマグナ、西が古い地層です。
糸静線は、フォッサマグナパークの地層露頭から、小川を超え、渡辺酒造店の敷地を通り、静岡へ向かいます。
フォッサマグナパークは、糸魚川-静岡構造線を人工的に露出させた断層見学公園です。写真の場所は、約1600万年前の新しい岩石(東側、土色)と、約2億7000万年前の古い岩石(西側、灰色)が接しています。
フォッサマグナパークは、2018年8月にリニューアルし、糸静構造線の断層が、よりダイナミックにわかりやすく見学できるようになりました。
マグマの対流の影響で、日本列島が大陸から離れるときに、「ぐわっと」真っ二つに割れた部分がフォッサマグナですが、初めは深さ6000m(平野基準)の海の底になっていました。
西のアルプスは3000m、東の越後山脈は2000m級ですので、その高低差は実に9000~8000m。ヒマラヤの山々がすっぽり入る高低差です。そのなかに、現在の日本の人口の3分の1が住んでいます。
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なお、フォッサマグナの東には、柏崎‐千葉構造線があります。新潟県柏崎市も、地形的な魅力にあふれた町です。
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フォッサマグナはどう埋められた? 砂岩泥岩互層と枕状溶岩から探る
ブラタモリは、根知の南東の山寺集落(地図)を訪ね、フォッサマグナはどう埋められたのかを、砂岩泥岩互層から探ります。黒っぽい泥岩、明るい色の砂岩が交互に重なっています。
泥岩(黒っぽい) 泥が積もってできた堆積岩。流れの静かな所でできる。
砂岩(灰褐色、明るい) 陸から運ばれてた砂が積もってできた堆積岩。水の流れでできる。
フォッサマグナのもとになる海峡を模した試験管に、タモリさんが土砂を流し込むと、砂・泥の順に溜まります。大きな地震があるごとに、周囲から土砂が流れ込み、砂(灰褐色)・泥(黒っぽい)のセットが、次々に重なってゆくのです。
タモリさんが来られた後の砂岩泥岩互層です。
— 杏 (@Pp56N2mEl5b8jjS) November 20, 2021
いつもはネットが張られていますがブラタモリの撮影のためめくられていました。
現在はまたネットが張られています。#ブラタモリ#フォッサマグナ#糸魚川根知 pic.twitter.com/dpxq7eKfnI
根知の山には、砂岩と泥岩が重なった地層があります。地図が示す山寺集落と展望台を結ぶ道路の、集落を出てすぐの辺りです。(地図)
下根知農村公園
続いて、ブラタモリは、集落に戻り下根知農村公園を訪ね、黒っぽい地層を見学します(地図)。
タモリさんの指摘通り、枕状溶岩です。フォッサマグナの元となる海峡には、地震による土砂のほか、溶岩も流れ込んでいたのです。
根知集落の枕状溶岩は、上のような成り立ちです。
お詫びと訂正 初出時、下のような説明を致しましたが、別のでき方の枕状溶岩の説明となっていました。お詫びして訂正いたします。
根知から見える駒ヶ岳(1487m)は、海底火山噴出物です。駒ヶ岳の手前にある低い台地が、周囲から流れ込んだ、砂岩泥岩互層です。
ヒント 下根知農村公園そばの小川の橋に行き、川の流れの左斜め方向が頚城駒ケ岳。Googleマップでは、駒ヶ岳ではなく、くびき駒ヶ岳で検索します。
1500万年前から、日本列島が折れ曲がってできた巨大な海の谷間に、土砂(→砂岩泥岩互層)や火山噴出物(→枕状溶岩)がたまり、フォッサマグナの埋め立てが始まります。なお、フォッサマグナ部分が落ち込んだ時に割れてできた断層を通ってマグマが上昇し、海底火山列ができたとされています。
300万年前に隆起が加わり、ついにフォサマグナは地上に姿を現します。
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フォッサマグナがうんだ美しい日本の原風景とは!?
ブラタモリは、根知からクルマで30分の場所にある、森を訪ねます。高さ15mの巨岩をはじめ、巨岩群があります。(地図、月不見の池のジオサイト)
月不見池のなかにも、巨岩が見られます。
タモリさんは、月不見の池の南東にある、棚田を見渡す場所を訪ねます。
アクセス 地図中央が棚田の全景。(海側にあたる)先端の出っ張りの左斜め方向に巨石群(月不見の池のジオサイト )。
棚田のある場所は、地滑りで流山が去った跡です。そして、流山は崩壊し巨石を生んだのです。
フォッサマグナは特有の2階建て構造。海底火山が重く、柔らかい下側の砂岩泥岩層は隆起によりひびが入りやすくなっています。この結果として起きた、地滑りが棚田を生んだのです。
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同様の成り立ちを持つ、星峠の棚田。星峠の棚田も、フォッサマグナの上にあります。越後湯沢駅または上越妙高駅からアクセスできます。
星峠の棚田を訪ね、アクセス、駐車場を記録しました(蒲生・儀明も掲載)
フォッサマグナの地滑りでできたとブラタモリで紹介された「星峠の棚田」は、下のリンクをご覧ください😎
— ブラタモリ (@buratamori2018) November 20, 2021
・蓮野 ・上船倉 ・姥捨 ・狐塚 ・星峠 ・慶師沖 ・花坂 ・梨ノ木田 ・大関
(姥捨、慶師沖は長野県、他は新潟県) #ブラタモリ #星峠の棚田https://t.co/qZHs24riGk
流れ山の地滑りが生んだ棚田
・蓮野 ・上船倉 ・姥捨 ・狐塚 ・星峠 ・慶師沖 ・花坂 ・梨ノ木田 ・大関
(姥捨、慶師沖は長野県、他は新潟県)
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😎マークは、現地取材済みです。
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😎過去回ロケ地 完全収録
ブラタモリが、長岡→燕・三条→新潟市を、信濃川なしには語れない地域としてまとめてくれそう!😎
— ブラタモリ (@buratamori2018) August 27, 2023
漏れる糸魚川、上越、村上などは北前船航路でカバー🚣♂️
信濃川、北前船で理解しやすく全県を売り出せば、まだまだ観光客は来そう!
動画は十日町市に信濃川が作った河岸段丘で、このエリアもカバー。 pic.twitter.com/pFJF4tlKW3
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