NHK番組のブラタモリ長瀞編で、タモリさんが長瀞の地理や地形、岩石が分かる見どころを紹介しました。このページでは、ブラタモリ長瀞編の全内容・ルートを写真でまとめて紹介します!
2021年4月24日の埼玉(秩父・長瀞)スペシャルでは、長瀞編を中心に、秩父編の石龍山・橋立堂も紹介されました。
埼玉でブラタモリ | 内容 |
😎現地取材 行田(#242) | タモリさんが、旅のお題「埼玉はじまりの地 行田ってどんな所?」を探ります。 |
😎現地取材 深谷(#177) | 渋沢栄一関係の遺構など、たくさんの見どころがある隠れ名所です。 |
😎現地取材 長瀞(#80) | 長瀞の地形は、南洋から押し寄せるプレートが地表に飛び出したもの! 地球の窓とも呼ばれます。 |
😎現地取材 秩父(#79) | 秩父と言えば、石灰岩の武甲山。なぜ海のない埼玉県の秩父で、サンゴ由来の石灰岩がとれるのでしょうか? |
😎現地取材 大宮(#77) | 1度は発展に取り残された大宮。森鴎外、正岡子規、夏目漱石ら、著名人が訪ねたある場所が起爆剤になった? |
😎現地取材 小江戸・川越(#9) | 川越の蔵の町並みは、江戸時代の江戸の町並みと瓜二つ。なぜ江戸と同じ建築が川越に広がったのでしょうか? |
長瀞ラインくだり(荒川の川下り)|ブラタモリ長瀞
日本地学発祥の地とも言われる長瀞。ブラタモリは、荒川沿いの舟乗り場の1つ(親鼻駅付近)からスタートします。
長瀞の観光客は、年に270万人。テーマは、なぜ長瀞は人をひきつけるのかです。
アクセス 親鼻駅から徒歩7分(地図)。目標の「紅簾石片岩」は親鼻橋から見えますが、逆側に降ります(船着き場の表示あり)。大型バスの出入りがない日なら、短時間車の駐車もできそうです。
長瀞ライン下り
- 親鼻橋[親鼻駅]→岩畳[長瀞駅](Aコース) …ブラタモリが乗船
- 岩畳[長瀞駅]→高砂橋[野上駅](Bコース)
- 親鼻橋→高砂橋(通しコース)
舟乗り場(親鼻橋の下)では、タモリさんたっての希望で、紅簾石片岩の地層を間近で見学。
紅簾石片岩への渡り方
小川のような水の流れの向こう側にあります。一見、留め置いてある小船に乗って渡るように見えますが、この船は置いてあるだけ(乗船は不可)。
橋を背に左手、木立に近い、小川の幅が狭いところを渡ります。運動靴必須、長ズボン推奨。赤の矢印は高さがありますので登れず、緑の矢印が目安ですが、草が絡みます。多少危険を伴いますので、3点支持(両手・両足の4点のうち3点により 身体を支えること)で登ってください。
※舟乗り場(くだり・Aコース船乗場)と紅簾石片岩に降りることができる階段があるようです。舟乗り場から見て、親鼻橋を挟んで逆側を探してみてください。
紅簾石片岩は、地下深くでできる片岩の1つですが、地上に表れるのは世界的にも極めてまれ。ピンク色のもととなるマンガンを含む、チャートなどからできた美しい岩石です。
(実際には、見て明らかなピンク色とまでは言えません)
紅簾石片岩の上には、ポットホールがあります。逃げ場を失った大きな岩が、激流で回転し、球形に掘られたものです。
長瀞編では時間の都合でカットされており、2021年の埼玉スペシャルで初めて登場しました。
2021年埼玉スペシャルでは、虎岩(スティルプノメレン片岩)も取り上げられました。
茶褐色のスティルプノメレンと、白色の長石や石英などが重なって、しま模様をつくっている岩です。地下深くの高圧で、折り畳まれるように褶曲しました。横断する白い鉱物は方解石で、後から入り込んだものです。
ブラタモリは、長瀞ラインくだり(荒川の川下り)に乗船します。
ラインくだり、1つ目の見どころは、秩父鉄道の荒川橋梁(大正3年完成)。鉄道写真の名所です。紅簾石片岩ポットホールがある、親鼻橋の近くから見ることもできます(望遠レンズ必要)。
SLから見た荒川橋梁の景色です(熊谷行き、左側車窓)。
巨岩が増えてくると、長瀞ライン下りのハイライト、小滝の瀬です。流れが急になり、水しぶきよけの、ビニールシートを手で持ちます。
ふたたび流れが穏やかになり、秩父赤壁を通ります。長瀞一帯は、パイ生地のように剥がれやすい結晶片岩でできており、秩父赤壁は、それを横から見ることができます。
対岸は、結晶片岩が川の流れで浸食され、岩畳と呼ばれ、長瀞駅から徒歩すぐの場所で、訪ねやすくなっています。
タモリさんは、長瀞駅付近の船着場で、船を降ります。周辺は、岩畳となっており、ここは長瀞駅から徒歩で見学できる場所です。
- 長瀞駅から徒歩5分程度
ヒント 長瀞駅から徒歩で見学できる場所は、船着場、岩畳、秩父赤壁、2m級のポットホール(写真)です。
長瀞の地形は、南洋から押し寄せるプレートが、中国大陸にぶつかり地下深部までもぐりこみ、高圧で変性作用を受け、最終的に表出した貴重なもの。長瀞の地形は「地球の窓」とも呼ばれます。
長瀞ライン下り
- 親鼻橋[親鼻駅]→岩畳[長瀞駅](Aコース) …ブラタモリが乗船
- 岩畳[長瀞駅]→高砂橋[野上駅](Bコース)
- 親鼻橋→高砂橋(通しコース)
岩畳|ブラタモリ長瀞
600mにも渡る岩畳は、手で触って腰かけることもできる天然記念物。岩畳に座ったタモリさんが、よく観察すると、低い平らなところと、高さがあるところがあります。
低い平らなところを、横(川面に近い高さ)から見ると、水平方向の筋(ミルフィーユのように薄く積み重なった形状)が見られます。
これは、片理と呼びます。構造上、川の流れによって1枚1枚はがされやすく、低くなっています。
一方、高さがある場所には、碁盤の目のような割れ目である、節理が見られます。
節理は、地下深くにあった地上に出た岩石が、膨張してできたものです。これは、焼きもちが膨張して割れる様子に似ています。
ミルフィーユ状の片理は、もともと地下20kmの場所にありました。片理とは、薄い平らな面が積み重なった構造をさします。
地殻変動で片理が地上に出ると、圧力が低くなり割れて、豆腐を包丁で切ったような節理ができました。節理とは、縦横に走る割れ目をさします(マグマ等が、冷却固結するときや、地殻変動のときに生じる)。
荒川の流れが、川に近い方から、はがれやすい片理を流し去ることで、段差が生まれました。
赤壁と小滝の瀬|ブラタモリ長瀞
親鼻橋から岩畳に船で下ったブラタモリは、船から右手に見た、秩父赤壁の対岸を訪ねます。
赤壁は、なぜ直線的なのでしょうか?
赤壁は、そもそも直線形状を特徴とする断層が、その正体だからです。長瀞の地名の由来は、長く続く、水が深くて流れの緩やかな所(=瀞)という意味です。
秩父赤壁とは対照的に、急流として人気があるのが、小滝の瀬です。
もともと崖沿いにまっすぐ流れていた川の流れが土砂で埋まり、岩畳の上に流れ出た川が、節理に沿って直角に曲がり、大きなカーブとなったものです。岩畳から降りる部分は滝になりますが、滝は岩を削るため、滝の位置は、徐々に後退しています。
長瀞のかき氷|ブラタモリ長瀞
ブラタモリは、長瀞のかき氷阿左美冷蔵本店を訪ねます。
タモリさんも、天然氷のかき氷を試食します。天然の氷は、11月下旬から1月下旬にかけて作られます。氷は、もともとは蚕の生産効率を上げる(収穫時期を増やす)ために作られていました。現在は、かき氷に転用されて、長瀞に多くの人をひきつける、魅力の1つとなっています。
- かき氷の阿左美冷蔵本店 上長瀞駅から徒歩2分
秩父鉄道のSLと県の博物館|ブラタモリ長瀞
秩父鉄道のSL(パレオエクスプレス)は、長瀞に多くの人を惹きつける原動力です。
週末中心の運転のため、ブラタモリは、ひろせ野鳥の森駅から徒歩5分の車庫を訪ねます。
ひろせ野鳥の森駅を出て、寄居・長瀞方面に、線路沿いの小高い場所を歩くと、右手に秩父鉄道・広瀬川原車輌基地が見えます。
車庫内の矢印のところに、蒸気機関車が止まっています。非公開ですが、踏切付近の安全な場所から、内部を見ることができます。ブラタモリでは、特別に、蒸気機関車を少しだけ、動かしてもらいました。
さて、秩父鉄道の難工事には、深谷出身の渋沢栄一の助力がありました。やがてコンクリートの時代が来ると予期した渋沢栄一が、資金繰りに協力したのです。
ブラタモリは、上長瀞駅近くの、埼玉県立自然の博物館に移動します。
通称ハトクソ石(蛇灰岩)など様々な岩石や鉱物を見学します。博物館の前身は、大正10年に設立されました。設立者は、秩父鉄道です。
古い資料を確認すると、秩父鉄道が、かつて岩石や地質によって、観光客を集められないか試行錯誤していたことが分かります。その延長線上に、岩畳、秩父赤壁などを目玉とした、ライン下りの運航があります。
なお、長瀞で宿がとれない時や節約したい場合は、下のページにある「ハナホテル 花園インター」がおすすめです。
埼玉でブラタモリ | 内容 |
😎現地取材 行田(#242) | タモリさんが、旅のお題「埼玉はじまりの地 行田ってどんな所?」を探ります。 |
😎現地取材 深谷(#177) | 渋沢栄一関係の遺構など、たくさんの見どころがある隠れ名所です。 |
😎現地取材 長瀞(#80) | 長瀞の地形は、南洋から押し寄せるプレートが地表に飛び出したもの! 地球の窓とも呼ばれます。 |
😎現地取材 秩父(#79) | 秩父と言えば、石灰岩の武甲山。なぜ海のない埼玉県の秩父で、サンゴ由来の石灰岩がとれるのでしょうか? |
😎現地取材 大宮(#77) | 1度は発展に取り残された大宮。森鴎外、正岡子規、夏目漱石ら、著名人が訪ねたある場所が起爆剤になった? |
😎現地取材 小江戸・川越(#9) | 川越の蔵の町並みは、江戸時代の江戸の町並みと瓜二つ。なぜ江戸と同じ建築が川越に広がったのでしょうか? |
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😎過去回ロケ地 完全収録
ブラタモリが、長岡→燕・三条→新潟市を、信濃川なしには語れない地域としてまとめてくれそう!😎
— ブラタモリ (@buratamori2018) August 27, 2023
漏れる糸魚川、上越、村上などは北前船航路でカバー🚣♂️
信濃川、北前船で理解しやすく全県を売り出せば、まだまだ観光客は来そう!
動画は十日町市に信濃川が作った河岸段丘で、このエリアもカバー。 pic.twitter.com/pFJF4tlKW3
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