
ブラタモリ境港・米子(弓ヶ浜半島)編で、タモリさんが、ゲゲゲの鬼太郎で知られる境港市や、皆生温泉で知られる米子の不思議を探りました。このページでは、ブラタモリ境港・米子編のルート(ロケ地、撮影場所)、内容、関連情報をくわしくご紹介します。【再放送・見逃し情報はこちら】
・
鳥取でブラタモリ | 概要 |
境港・米子(#212) | タモリさんが、ゲゲゲの鬼太郎で知られる境港市や、皆生温泉で知られる米子の不思議を探りました。 |
鳥取(#111) | なぜ鳥取砂丘は、人をひきつける日本一有名な砂丘になったのでしょうか? |
境港と米子

ブラタモリは、境港市の「水木ロード」からスタート。

鳥取県西部の米子市。その北側の半島部に位置するのが境港市。日本海有数の港町であり、「ゲゲゲの鬼太郎」の作者、水木しげる先生の出身地としても知られます。

境港駅から、水木しげる記念館まで続く「水木ロード」では、177体の妖怪が出迎えます。
タモリさんは、鬼太郎、小豆洗い(シャキシャキと音をたてて川で小豆を洗う妖怪)の像に注目。境港が登場する、水木しげるの自伝的な作品『神秘家水木しげる伝』も紹介されます。
『神秘家水木しげる伝』の15ページが紹介されました(Amazonで試し読み可能なページ)。山がちな島根半島(島根県)と、平坦な境港の間を、境水道が流れる、印象的な地形です。

「境港は町だが 島根半島は山で 海沿い以外は ほとんど 人が住んでいない」
『神秘家水木しげる伝』
「夜になると 狐が鳴いたりして 不思議な感じが したものだ」
「子どもの頃 ぼく(水木しげる)は漠然と 『鳥取』と『島根』は違うと感じていた」
境港の地形と雰囲気が、ゲゲゲの鬼太郎を生んだのかも知れません。
(地形が漫画を生んだ場所として、九州の日田が取り上げられています。【ブラタモリ進撃の日田】タモリさんがかつて住んだ『進撃の巨人』のふるさとを探る#176)

境港にある江島大橋は、その急坂ぶりが話題になります。ブラタモリでは、未紹介でした。(地図)
島根半島の断層がなければ「ゲゲゲの鬼太郎」は生まれなかった?|ブラタモリ境港・米子


ブラタモリは、境港(左側)から、水木さんが見た風景を確認します。
ちょうど、向かいの山々(島根半島)は霧が出ており、ゲゲゲの鬼太郎が生まれた風景のように、感じられました。
境港市と米子市は、鳥取県のしっぽにあたります。ブラタモリのテーマは、「思わずゲゲゲ! “鳥取のしっぽ”は不思議だらけ!?」です。


ブラタモリは、船で、境水道を東へを進みます。境水道大橋(写真)の先が、海への出口となります。

同じ高さの山が連なる山側(島根半島)は、どのようにできたのでしょうか?
これは断層だったのです。

ブラタモリ日本の構造線で扱ったように、およそ2千万年前、マントルの対流の影響で、日本列島は大陸からの押す力を受け、引き離されます。およそ1500万年前、今度はフィリピン海プレートが、日本列島の下にもぐりこみ、逆側からも押す力を受けます。

両方から押された日本列島は隆起を始めますが、境水道の付近は、この力の作用で断層ができます。大陸から押す力は止まず、盛り上がったのが、島根半島だったのです(上の図の左上)。
プレートの力で隆起した島根半島に沿って、海に流れ込むのが、境水道です。
鳥取の新キャラ?“とっとらちゃん”のしっぽは日本最大の砂州!|ブラタモリ境港・米子


ブラタモリは、弓ヶ浜半島の、弓ヶ浜海岸を訪ねます。鳥取県のしっぽのような場所です。

境港市と、米子市の一部がある弓ヶ浜半島は、日本最大の面積を持つ砂州として、知られています。鳥取には、鳥取砂丘(ブラタモリ鳥取砂丘)以外にも、広大な砂の地形があったのです。
砂州とは、入江をふさぐようにできる、細長い砂浜。水の流れや風によって、運ばれた土砂でできます。短いものは砂嘴と呼び、湾をほぼ、または完全に塞ぐと砂洲と呼ばれます。
ブラタモリに登場した砂洲
※砂州、砂嘴の区別は、学者によっても異なります。
日本最大の砂州である、弓ヶ浜半島。日野川(JR伯備線に沿って米子市に流れ込む)による砂礫の供給、海面水位の変化、そして海流、波風、洪水などの影響でできたと考えられています。
その砂州の半分は人間が作ったとは、どういうことでしょうか?

砂州の歴史を見ると、奈良時代から江戸時代のあいだに、太く成長しています。この間に、何が起きたのでしょうか?
ブラタモリは、海から30キロ離れた山間部(YMCA呼子キャンプ場/鳥取県日野郡日南町・地図)を訪ねます。
お詫び 初出で、緑水湖オートキャンプ場としましたが、誤りでした。お詫びして訂正いたします。
キャンプ場の道外れたタモリさんは、真砂を見つけます。花崗岩が風化したもので、これが、砂州を作っていたのですが、なぜ真砂が大量に生まれたのでしょうか?

タモリさんは、落ちていた黒い石を洗います。洗うと色は赤く、スコップで叩くと金属のような音がします。これは、鉄(鋼)のくず。たたら製鉄(日本で古くから行われている鉄づくりの仕組み)が、ここにあったのです。

鉄の原料は、花崗岩に含まれる砂鉄。江戸から明治期には、山陰のたたら製鉄が、日本のおよそ8割の鉄を生産していました。砂鉄を取ったあとには、大量の砂が生まれ、川に流されていました。500年前からたたら製鉄が盛んになり、砂州を太くしたのです(上の地図)。
海にできた砂州からなぜ大量の真水が湧く?


かつて、弓ヶ浜半島は、夜見島という島でした。島根半島にぶつかった海流が回ってくるため、海に流された人も流れ着く、黄泉の島でした。
夜見の島は、現在の境港市。水木しげるさんが、何かを感じたのも、この歴史から必然なのかも知れません。


ブラタモリは、境港市の綿(綿花)の畑を訪ねます。
弓ヶ浜半島では、水不足や砂地に強いサツマイモの生産が主流でしたが、その後、綿や米の生産が、盛んになりました(現在は、白ネギも名産)。

鳥取藩は綿の栽培に力を入れ、当時、全国5番目の生産量を誇りました。
綿は、乾燥や塩分に強い作物です。しかし、海の塩水で育てることはできません。どのように水を得ていたのでしょうか?

ブラタモリは、綿の畑を掘り起こします。すぐに真水が湧いてきます。なぜ、砂州に水が湧くのでしょうか?

雨などにより、砂州にしみ込んだ淡水は比重が軽いため、砂州にしみ込んだ海水と混ざらず、溜まってゆきます。これを淡水レンズと呼びます。海水(塩水)が、淡水を溜めこむ大きなバケツのような役割を果たしていたのです。
ゲゲゲ!海底の温泉が30年で陸に大移動?

ブラタモリは、皆生温泉を訪ねます。

弓ヶ浜半島の根元にある皆生温泉。海岸で温泉が湧くのを、漁師が発見したのが開湯のきっかけですが、そのお湯は、どこからやってきたのでしょうか?

もとは、海の中から湧いていたのです。なぜ温泉は、海の底から、砂浜に移ったのでしょうか?
これは、たたら製鉄から流れてきた砂で、30年間で200mも海岸線が後退し、海の底が砂浜になったことによります。砂が溜まったことで、温泉が海水に交じらずに、人がつかれるようになったのです。
昭和初期、温泉街はピンチに陥ります。砂の流入が止まり、海岸が浸食され、砂浜が減っていったのです。どのようにピンチを脱したのでしょうか?
ブラタモリは、皆生温泉 皆生シーサイドホテル 海の四季を訪ねます。

最上階の露天風呂からは、離岸堤が見えます。離岸堤は、波の勢いを弱め、砂を堆積させるはたらきがあります。皆生温泉には、12の離岸堤が作られました。
離岸堤の設置(1971年、国の直轄事業として初の離岸堤)により、砂浜が戻ってきたのです。離岸堤へ延びる砂浜は、トンボロと呼ばれます。不思議と、弓ヶ浜半島の形状と共通点があります(島根半島を離岸堤に見立てる)。

断層により誕生した島根半島は、波をさえぎり、巨大なトンボロ、弓ヶ浜半島が生まれたとも言えます。

皆生温泉の名前には、どのような思いが込められているのでしょうか?
皆生温泉には、夜見の島に関わる伝承があります。出雲の浜から泡となった魂が流れ着き、新しい体と心がよみがえったという内容です。流れ着いた魂の泡が、温泉の泡であるということです。この伝承から、皆が生き返るという意味で、皆生温泉となったと言われています。
弓ヶ浜半島は、海風が吹きぬけ、作物も育ちにくい土地。そのような土地に皆生とついたのは、皆で生き抜こう意志が表現されていると言えるかも知れません。
鳥取でブラタモリ | 概要 |
境港・米子(#212) | タモリさんが、ゲゲゲの鬼太郎で知られる境港市や、皆生温泉で知られる米子の不思議を探りました。 |
鳥取(#111) | なぜ鳥取砂丘は、人をひきつける日本一有名な砂丘になったのでしょうか? |
😎見逃した方はこちらから
ブラタモリ日本の温泉 | ブラタモリ過去の放送回一覧 | タモリさん、オールナイトニッポンSP |
坂タモリ出版 推奨の坂は?(第8位で紹介) | 史上最大の反響「ブラタモリフォッサマグナ」 | ブラタモリ公式サイト |
ブラタモリ「奇跡の編集力」 | ブラタモリ書籍一覧 | タモリさんが監修!カレーうどん千吉 |
😎過去回ロケ地 完全収録

- 目白
- 目黒(再)
- 鯖街道
- 敦賀
- 秋吉台
- 関門海峡(再)
- 北九州
- 10/5 博多(再)
- 9/30 利尻島
- 9/28 知床(再)
- 稚内
- 網走(再)
- 9/9 燕三条
- 長岡
- 佐渡
- 8/19 松島
- 7/22 山形
- 7/20 酒田(再)
- 7/15 行田
- 7/8 佐野
- 6/24 関が原
- 彦根(再)
- 6/17 吉野
- 6/15 法隆寺(再)
- 6/10 梅田
- 5/27 屋久島
- 5/20 京都・山科
- 5/18 宇治(再)
- 5/13 東寺
- 4/22 下北沢
- 4/20 吉祥寺(再)
- 4/1 汐留
- 3/20 豊洲(中止)
- 3/18 佐賀
- 2/18 世界の絶景
- 2/11 前橋
- 1/28 足利
- 1/21 高千穂
- 1/14 大井川
- 1/1 新春・江の島
- 12/3 静岡市
- 11/26 安曇野
- 11/12 善光寺
- 11/5 苫小牧
- (これ以前は下のボタンから)
ブラタモリが、長岡→燕・三条→新潟市を、信濃川なしには語れない地域としてまとめてくれそう!😎
— ブラタモリ (@buratamori2018) August 27, 2023
漏れる糸魚川、上越、村上などは北前船航路でカバー🚣♂️
信濃川、北前船で理解しやすく全県を売り出せば、まだまだ観光客は来そう!
動画は十日町市に信濃川が作った河岸段丘で、このエリアもカバー。 pic.twitter.com/pFJF4tlKW3
コメントをどうぞ(情報ご提供、旅行相談など)
ご教示有難うございます。早速訂正いたしました。
初めてご連絡いたします。
先日更新された ブラタモリ境港米子編の記事について、地元民ですので一応訂正情報をお伝えしておきます。
文章中にある以下の表現について、
海から30キロ離れた山間部(緑水湖オートキャンプ場、地図)を訪ねます。
とありますが、
正しいロケ場所は、YMCA呼子キャンプ場(鳥取県日野郡日南町)です。
緑水湖オートキャンプ場は鳥取県西伯郡南部町にあり、ロケとは全く関係ない場所です。
このサイトを見て間違えて訪問される旅行者がいらっしゃるかもしれませんので、可能であれば訂正をお願いいたします。
ありがとうございました♪