NHK番組・富山編で、タモリさんが海の幸、美しい山々、薬売りなど、富山の「富」の成り立ちを紹介します。このページでは、ブラタモリ富山編のルート、内容、関連情報をくわしくご紹介します。(再放送・見逃し情報はこちら)
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富山湾でベニズワイガニ、シロエビなど海の幸が豊富にとれるのはなぜ?|ブラタモリ富山
ブラタモリは、富山市の西、射水市にある富山新港を訪ねます。目の前は、富山港。海王丸パークと名づけられています。(地図)
晴天時には、立山連峰が見えます。タモリさんは、3年前までタモリカップというヨットレースを主催しており、懐かしい場所です。ブラタモリのテーマは、富山の富はどう生まれた?です。
海王丸 商船学校の練習船として、誕生した帆船。1930年以来、59年間に地球を約50周分を航海し1万人を超える船乗りを育てた。
ブラタモリは、ピンクで透明なシロエビに注目します。
ベニズワイガニ、シロエビ、ホタルイカ、ブリなどは、富山湾でとれる海の幸です。500種にのぼります。なぜ富山湾には、豊富な海の幸が集まるのでしょうか?
例えば、ベニズワイガニは、ズワイガニとは異なった特徴を持ちます。
- ベニズワイ 水深1000m前後の深海に多くすむ
- ズワイガニ 水深300m前後の海底に多くすむ
富山湾では、なぜ深い海にすむベニズワイガニがとれるのでしょうか?
タモリさんが前回訪ねた糸魚川では、少し沖に、海の青さが濃く深い藍色になる場所があります。岸から急に深くなる部分では、このような色の変化が起きます。
富山港も、同様の地形なのでしょうか?
富山湾は、すぐ沖合が1000m以上の深さがあり、水深約300mを境にし、浅海側は対馬暖流水、深海側は日本海固有水となっているのです。
- 対馬暖流水 …浅い順にブリ、シロエビ、ホタルイカ
- 日本海固有水(低温) …ベニズワイガニ
神通川の急流がもたらした富とは?|ブラタモリ富山
富山は、海産物だけでなく、米など農産物の産地としても知られます。
鱒寿司は、富山県の郷土料理です。神通川を遡上するマスと、富山県産米を利用しています。
ますのすし
1717年(享保2年)、ある富山藩士が作ったますのすしは、徳川吉宗に献上されました。吉宗は大変気に入り、以降富山名物として、江戸に送られるようになりました。
富山県での農業生産は、コメ、六条大麦、大豆、ねぎ、たまねぎなどが知られています。神通川の氾濫が、流域一帯に肥沃さをもたらした賜物です。
ブラタモリは、神通川の河岸を訪ねます(神保大橋の南西、地図)。河原の石は大きめ。河口付近に大きな石があるのは、川が急流であることを示しています。
富山湾に流れ出る神通川は、高山市内を源流とする急流です(幹川流路延長120km)。岐阜県・富山県の県境で高原川を合流するまでは、宮川と呼ばれています。
神通川は、 豊かな水の流れが特徴ですが、富山県内のほかの河川同様、「急流」を特徴としています。
富山湾の海底の地形を見ると、海底に谷があり、富山湾になだれ込む7つの川筋と一致しています。急流のため、土砂もろとも海底に一気に流れ込み、谷を作ったのです。この海底の谷は、魚にとって住みやすい地形であり、山間部から栄養分も運んできています。
また、神通川は、現在の岐阜県と富山県を水運として結びました。
- 飛騨地方から木材、炭、和紙、絹糸など
- 富山平野から米、塩、魚など
神通川流域では、イタイイタイ病(4大公害病、1968年に厚労省が認定)が引き起こされ、出産後の女性を中心に大きな被害を受けましたが、地元の努力により、美しい水が取り戻されています。(資料)
呉羽山がもたらした富とは?|ブラタモリ富山
呉羽山(呉羽丘陵)は、神通川の西に南北に横たわり、富山市街や立山連峰の絶景で知られます。かつては、超えるのは一苦労で、富山県の生活・文化・経済を2つに分けてきました。
地元で放映されている、「ヨーデルの女」天気予報でもおなじみの景色です。
「ヨーデルの女」は、突然現れ、誰しもが思っていながら口に出せずにいる本音を伸びやかな歌声で伝えます。スイスのような舞台は、実は富山(海があるスイス)。
呉羽山が、富山の町に富をもたらしたとは、どういうこと?
タモリさんは、呉羽山の東の斜面から、神通川の流れの位置を確認します。さらに、許可を得て、呉羽山の斜面にある、断面の露出を確認します。
アクセス 上の写真付近の場所で様子も似ていますが、上の場所とは多少異なります。(地図)
不思議なことに、呉羽山の東へ「下がる」稜線とは異なり、地層の境目は、東へ「上がる」向きです。
かつての呉羽山は、もっと東の方に構えていたのです。東の方は、どこへ消えてしまったのでしょうか?
これは、暴れ川である神通川が呉羽山の東の方を削ったということです。
かつては神通川は、いま呉羽山がある場所を横切るように、北北東へ流れていたのですが、呉羽山の隆起により、行き場を失い、呉羽山の東側を削りつつ遠ざけられました。富山市の中心に、呉羽山がやってきたのです。
呉羽山の隆起で、川筋が変わったことが、富山の町に富をもたらしたとは、どういうこと?
富山城と神通川の関係を探る|ブラタモリ富山
ブラタモリは、富山城を訪ねます。
- アクセス 富山駅徒歩10分/環状線(セントラム)国際会議場前から徒歩2分
タモリさんは、富山城東側の城址大通り(地図)を訪ね、南北の高低差を確認します。少し分かりにくいものの、南が高く、北が低くなっているようです。ここは、扇状地の先端部分(へり)だと考えられます。
扇状地のへりは、水も湧きやすく、城下町に向いた場所です。
ブラタモリは、富山城の東側にある千歳御門を訪ねます(地図)。扇状地のへりは徐々に低くなるはずですが、城の側に高くなっている、不思議な地形が見られます。
なぜここだけ高くなっている? 北側にヒントがあるのか??
ブラタモリは、富山城の北側を訪ねます。小川が流れています。
これは、昔の神通川です。城の北側は、扇状地が終わり平地となり、蛇行を始めた神通川が流れていたのです。
この場所に神通川を持ってきたのは、ほかでもない呉羽山の隆起です。神通川の立場でいうと「気持ちよく北に向かっていたら、突然現れた呉羽山がじゃましやがって、曲がりくねりつつここへやって来たのだ」となります。
蛇行した神通川は、氾濫のたびに岸に土砂をため、自然堤防を築いてゆきました。その、自然堤防の高まりに作られたのが、富山城だったのです。千歳御門の不思議な高まりも、自然堤防によるものでした。
自然堤防 …洪水時に川からあふれ出た水に含まれていた土砂が、川の岸に堆積してできた地形。(国土地理院による)
ブラタモリは、旧神通川の上流(富山城北側より西方向)を訪ねます。橋があり、常夜燈があります(地図)。しかし、橋を渡ると常夜燈はありません。
もう1つの常夜灯の場所が、川の向こう岸にあたるはずなのだが?
ようやく見つかったもう1つの常夜灯は、230mも先にありました。暴れ川にある、幅230mもの広い川幅を渡るために、どのような工夫がされたのでしょうか?
ますのすしの駅弁に、そのヒントが!?
230mもの川幅には、船を並べて作った、船橋があったのです! この船橋の恩恵で、川の南北はつながり、城下町の発展につながりました。
船橋のたもとの茶店の名物だった鮎のすしが、のちに鱒のすしに変更され、富山名物となったとも言われています(諸説あります)。
※船橋の場所は諸説あり、移転歴もありますので、研究のさいはご注意ください。
ますのすしは、関東地区のスーパーライフで、12月4~5日に販売があります。念のためチラシでご確認ください。
織田信長の家臣・佐々成政は、城主として富山城の守りを固めるため、神通川の蛇行が始まる場所に巨岩を積み重ねた、高さが15mもあるダムを築き、川筋を東に逃がした歴史もあります。
「富山の薬売り」はなぜ生まれた?|ブラタモリ富山
富山は「薬都」ともいわれる、薬の街です。
江戸時代初期、富山藩2代藩主・前田正甫は、医薬の知識に精通していました。薬によって領民の救済を行うにとどまらず、ある工夫を凝らしました。どのような工夫があったのでしょうか?
ブラタモリは、池田屋安兵衛商店を訪ねます。(地図)
ブラタモリは、薬売りの資料を見学します。五段重ねの柳行李の1段目には、そろばん、筆記用具、そして顧客を記録した帳面である懸場帳。2段目には、紙風船や、当時豪華だった浮世絵などお土産。3段目には、回収した期限切れの薬が入っていました。新しい薬は、4、5段目です。
お土産は、現代のお中元にあたるもの。薬売りは、日本全国を定期的に回り、薬の入れ替えを行いました。藩が主導した、何代にも渡りお得意とつながりを持ち、藩の外からお金を得る仕組みでした。
ブラタモリは、富山駅そばの、富岩運河環水公園を訪ねます。
富山駅周辺のビル群は、富山の売薬から発達した企業です。このように、薬に関わる全てが揃っていることから、富山は「薬都」と呼ばれます。富山では、薬業に関わる人は、平均の10倍に及びます。
ビル群は、神通川の蛇行を埋めた場所に建てられ、その中心に富山駅がつくられました。神通川をはじめ、富山を駆け降りる急流の川が、富山の富を作ったのです。
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😎過去回ロケ地 完全収録
ブラタモリが、長岡→燕・三条→新潟市を、信濃川なしには語れない地域としてまとめてくれそう!😎
— ブラタモリ (@buratamori2018) August 27, 2023
漏れる糸魚川、上越、村上などは北前船航路でカバー🚣♂️
信濃川、北前船で理解しやすく全県を売り出せば、まだまだ観光客は来そう!
動画は十日町市に信濃川が作った河岸段丘で、このエリアもカバー。 pic.twitter.com/pFJF4tlKW3
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