NHK番組のブラタモリ・日本の石垣スペシャルで、タモリさんが金沢城など、日本の石垣が分かるスポットを紹介します。このページでは、日本の石垣編の予習・復習・旅行計画が可能です。
7月17日(土) 日本の石垣スペシャル~加賀百万石の城でわかる石垣の魅力とは?
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😎過去回ロケ地 完全収録
ブラタモリが、長岡→燕・三条→新潟市を、信濃川なしには語れない地域としてまとめてくれそう!😎
— ブラタモリ (@buratamori2018) August 27, 2023
漏れる糸魚川、上越、村上などは北前船航路でカバー🚣♂️
信濃川、北前船で理解しやすく全県を売り出せば、まだまだ観光客は来そう!
動画は十日町市に信濃川が作った河岸段丘で、このエリアもカバー。 pic.twitter.com/pFJF4tlKW3
江戸城外堀の石垣の1割を担当した加賀藩|ブラタモリ・日本の石垣スペシャル
2階建てバスや船で、江戸城を巡ったブラタモリ江戸城編。60の藩がかり出された江戸城の外堀づくりですが、約1割は、加賀藩が担当していました。
加賀藩の本拠地、金沢城にはどのような石垣があるのでしょうか?
戦国時代、寺社(一向宗)による支配が続き、寺町が形成された金沢。江戸時代になると、加賀藩(前田家)は全国最大の100万石を超える藩となり、名古屋と並ぶ城下町に発展しました。
石垣の博物館 金沢城|ブラタモリ・日本の石垣スペシャル
ブラタモリは、金沢城を訪ねます。金沢城は、石垣の博物館と呼ばれるほど、バラエティに富んだ石垣があります。
特に石垣にこだわったのは、以下の3大名です。
代 | 氏名 | 特徴 | |
初代 | 前田利家(まえだ としいえ) | 加賀藩始祖の戦闘家。身長が高く6m半の槍の使い手。数々の戦果を挙げ、織田信長に大変かわいがられていた。 | |
3代 | 前田利常(まえだ としつね) | 政治と文化の名大名。まだまだ不安定な時代であり、幕府との関係悪化の調整に尽力。同時に、文化発展の大スポンサーとしても知られた。 | |
5代 | 前田綱紀(まえだ つなのり) | 学識豊かな大名。「綱紀ほど博学な大名はいない」と言われ、学術的・資料的価値が高いものに関心があった。 |
- ● 初代・前田利家の石垣(野面積み)
- ● 3代・前田利常の石垣
- ● 3代・前田利常の刻印を伴った石垣
- ● 5代・前田綱紀の石垣(正方形)
- ●黄色 5代・前田綱紀の石垣(色紙短冊積み)
もともと20mあった石垣
ブラタモリは、まずは、石垣回廊(地図)で、石垣を見るポイントを確認します。実際に現地にも、石垣を見るポイントが記され、初めに訪ねたい場所です。もともと20mあった石段が、その後、3段に分けられています。
石垣の石のすきまに詰めるのが、間詰め石です。崩れやすい角の強度を高める算木積みが見られます。すぐそばには、関ヶ原の戦いの前に作られた、算木積みが未確立の石垣も見られます。
矢穴が残った石が見つかります。もっと前の、初代・前田利家の石垣は、石をそのまま使っているので、矢穴は見られません。
「加賀藩始祖の戦闘家」初代・前田利家の石垣は高さ15m
初代・前田利家(戦国時代)の石垣は、丑寅櫓跡に残る、シンプルな野面積みです。
野面積みは、石を加工せず積み上げたもの。野にあった面そのままという意味で、すっぴんのことを「野面」と言った時代もありました。
自然のままの形のため、高くは積み上がりません。でこぼこしており登りやすく、敵の攻略を受けやすいものでした。15mという、当時全国最大レベルの高さで、欠点をカバーしたと思われます。なお、野面積みは、隙間が多いため排水に優れるメリットもあります。
ブラタモリ金沢編のアドバイザーは、金沢城の石垣を、石の種類と積み方で分類しています。
- 自然石 自然のままに石
- 割石 矢穴を空け割った石
- 切石 立方体に切った石
- 乱積み ランダム
- 布積み 横に直線が走るようにそろえる
- 落とし積み 石材を斜めに積む
- 四方積み
初代・前田利家の石垣は「割石乱積み」です。最初に見た石垣回廊(地図)の石垣は「自然石の乱積み」でした。大手門、三の丸の門にも「割石乱積み」の石垣が見られました。三の丸の門には算木積みも見られました。
鏡石
鏡石は、ひときわ目立つ大きな石。金沢城を含め、どの城も正面に鏡石を据えています。石垣の職人である穴太衆も、鏡石にはこだわった記録が残っています。
「政治と文化の名大名」3代・前田利常のカラフルな石垣
3代前田利常の石垣(地図●印)は、関が原の戦いが終わり、少しだけ落ち着いてきた世情を反映し、芸術性が追求されたカラフルなものです。分類は「割石の布積み」です。
茶色や灰色の石を、バランスよく組み合わせてあります。
地図●印の付近では、卍や☆など様々な刻印が施された石垣が見られます。これも、前田利常の石垣です。利常の頃、加賀藩は、全国有数の百万石の豊富な財源を、美術工芸にも投資し始めます。
「学識豊かな大名」5代・前田綱紀のこだわりの石垣
芸術性がピークに達したのは、学識も豊かな5代・前田綱紀の時代です。
綱紀は全国の工芸品を集め、百工比照という、一大コレクションを完成させました。実物が手に入らない場合は、職人に模造品や写本を作らせる凝りようでした(石川県立美術館に所蔵。不定期公開)。
「割石の布積み」の石垣もありますが、もっと綱紀らしい石垣があります。幾何学的な長方形だけで作った石垣(上の写真、地図:●印)がそのひとつ。分類は「切石の布積み」です。
ひと続きの石垣には、間詰め石で、割石を切石風に見せた、凝ったものもあります(寛文パネル石垣、タモリさん命名「綱紀積み」)。
学がある5代・前田綱紀は、ピエト・モンドリアン(大小の四角形を組み合わせたカラフルなデザイン)風の石垣(色紙短冊積み、地図:●=黄色印)も残しています。石材を縦に置くと、落下につながる恐れもありますが、ここでは芸術性が優先されています。
縦に長細い棒のように見える石や、排水を落とす装置も見ものです。少し引いた場所から、庭園と一緒に見るのも素晴らしい景色です。
10代の若き綱紀が作ったのが、江戸城の天守台。大中小の石を積み上げ、高く見せる工夫があります。
ブラタモリ過去回に登場! 石垣クイズ(全8問)
石垣が登場した過去のブラタモリから、クイズを8問作りました!
江戸城の石垣「本丸だけ高いのはなぜ?」
江戸城の石垣「本丸だけ高いのはなぜ?」
本丸付近では、台地に作られたため、高くなっています。お城は台地の先端に作られるもので、江戸城も金沢城もそれにあたります。
姫路城の石垣「これは、いつ頃の石垣?」
姫路城の石垣「これは、いつ頃の石垣?」
姫路城の二の丸にある石垣は、まだ技術が未発達の野面積み。戦国時代に見られるものです。ここには、豊臣秀吉が作った黒いお城があったのですが、徳川が白く塗り替えてしまいました。
大阪城の地下に埋められた石垣「これは、誰の石垣?」
大阪城の地下に埋められた石垣「これは、誰の石垣?」
天守閣が見える場所に、深さ7m以上の井戸のようなものがあります。ブラタモリの取材カメラマンが下へ降りると、野面積みの古い石垣がありました。豊臣大阪城の本丸は、徳川により、盛り土ですっぽり覆われていたのです。
京都御所西の大内裏の跡 城を建てた無礼者?は誰
京都御所西の大内裏の跡 城を建てた無礼者?は誰
ブラタモリは、京都御所の西にあたる町なかを歩きます。すると広大な大内裏の一角だった場所に、石垣が見つかります。大内裏の跡には、建物を建てることをはばかられるもの。誰が城を建てたのでしょうか?
430年前、豊臣秀吉が建てた、聚楽第の跡です。豊臣政権の中枢に位置づけられ、かなりの大きさ(10万5千平方メートル、甲子園球場3個分)を誇りました。
水戸城に石垣がないのはなぜ?
水戸城に石垣がないのはなぜ?
水戸藩は、「すでにあるもの」の再利用を進めたからです。
ある年、水戸藩は、8742両の収入に対し、18660両の大赤字を記録。借金もあり、2300両もの利息を支払っていました。水戸藩は、江戸城との行き来が多い2重生活となり、生活コストが高くついたことも背景にあります。
名古屋城の石垣 なぜ堀に野ざらしなの?
名古屋城の石垣 なぜ堀に野ざらしなの?
名古屋城の本丸搦手馬出石垣では、14年かけて約4000石の解体を完了しました。石垣は、内堀に整然と並べられ、石垣の雄姿再現のための積み直しに向け、準備が進んでいます。
下の石垣解説動画は、短く分かりやすいので、おすすめ。
熊本城の石垣 この形状を何と呼ぶ?
熊本城の石垣 この形状を何と呼ぶ?
熊本城の石垣は非常に背が高く、侵入者がよじ登ると徐々に直角に近づき、武者返しと呼ばれています。初めから直角にしないのは、登れそうだと錯覚させて転落を招いたり、時間を取らせたりする狙いです。
朱里城の石垣 曲線を描いているのはなぜ?
朱里城の石垣 曲線を描いているのはなぜ?
沖縄のグスクでは、石垣などの建造物は、ほとんどが琉球石灰岩から作られているからです。石灰岩は、コンクリートの原料として知られ、サンゴや貝などの死骸がもとになる加工しやすい軟石です。
[独自取材]要塞遺産・猿島の石垣
要塞遺産・猿島は、房総半島と三浦半島の間にあり、東京湾を外国船から守る役割を果たしてきました。
敵の目をあざむくために、弾薬庫や兵舎は、切り通しに作られています。切り通しに使われたのは、ブラタモリ館山編で紹介された、房州石です。
こちらの房州石と
こちらの房州石。どちらが古いのでしょうか?
正解は、下の小さいサイズの房州石が古くなります。石は、大きく切り出す方が難しく、運ぶ技術も必要です。例外はありますが、ここでは原則通り、小さいサイズの房州石が古いものです。
横須賀の軍要塞跡・猿島にある「発電所」😊
— ブラタモリ (@buratamori2018) July 14, 2021
・煙突は敵から見えないよう低め。右手前から石炭を入れる。
・マンホールは「人」が入れる点検口。写真は「手」を入れて電線を点検するので、ハンドホールと呼ぶ。
・地上に残る、電線を通したパイプ跡。
・壁面に残る、電線を支えた工事の跡。 pic.twitter.com/wuoAmKRHfL
横須賀の軍要塞跡・猿島にある兵舎跡(ついでにトイレ跡)。
— ブラタモリ (@buratamori2018) July 14, 2021
兵舎へと続く坂道には、敗戦時に、残兵を警戒したイギリス軍が撃ち込んだ、銃弾の跡が多数。
よく見ると、銃弾は(低い方から)斜めに撃ち込まれています。 pic.twitter.com/I44dIXsYys
軍要塞跡の無人島・猿島へ。
— ブラタモリ (@buratamori2018) July 14, 2021
専門家に兵舎の中を見せてもらいました。床には、ベッドを設置した跡。
レンガ作りを漆喰(しっくい)で塗り固めた構造で、少しだけレンガが見えています。 pic.twitter.com/LVVyytnzL1
軍要塞跡の横須賀・猿島。
— ブラタモリ (@buratamori2018) July 14, 2021
これは弾薬庫。左側の小さな入口は何のためにあったのでしょうか?
弾薬庫内に灯りを置く、専用の出入口です。左側は空気が出入りする構造で火は消えません。
弾薬庫に火を持ち込み、引火しないようにする工夫です。
弾薬置き場の落書きは、自由に出入りできた時の名残り。 pic.twitter.com/LSxHdW1KkF
要塞の遺産・猿島(神奈川県)。
— ブラタモリ (@buratamori2018) July 14, 2021
特別なツアーで弾薬庫の中に入ると、空が見える煙突状の何かが! これは、何に使われていたのでしょうか?
これは、弾薬を滑車で吊り上げて、砲台に運ぶためのもの。
外にある石の出っ張りも、弾薬を釣り上げる装置を固定するためのものでした。 pic.twitter.com/cRN18dTbKQ
猿島のレンガには、珍しい「フランス積」もあります。
— ブラタモリ (@buratamori2018) July 14, 2021
レンガを、横縦横…と並べてゆき、その次の段は縦横縦の互い違いです。
美しさが特徴。
現存するフランス積は珍しく、他には富岡製糸場にあります。
猿島のあるレンガは、下はフランス積ですが、上は異なります。後から足されたとわかります。 pic.twitter.com/J1NnhSJmZZ
猿島の三叉路近くのレンガ。
— ブラタモリ (@buratamori2018) July 15, 2021
レンガの刻印は、通常は上下の接面になりますが、通常と異なる置き方、かつ出っぱっている場所があります。
「愛知名古屋東洋組」と書かれ、名古屋から運ばれてきたことがわかります。
ブラタモリでは深谷編でレンガの刻印を扱いました。https://t.co/b9kJWzEFRF pic.twitter.com/ZHGOcePerd
外国船から東京湾を守る要塞が猿島。
— ブラタモリ (@buratamori2018) July 15, 2021
5つの砲台があります。 pic.twitter.com/5Sv7lpRC7y
神奈川・猿島の砲台の近くに生息するキジョラン。
— ブラタモリ (@buratamori2018) July 15, 2021
秋になると長い冠毛を持った種子が飛び出す姿が、取り乱した「鬼女」に似ていることが由来。
「鬼女」の葉っぱを食べたのは誰?
アサギマダラ(資料写真)という蝶の可能性が。
海を渡る蝶として知られ、2000キロ先の台湾へ移動した記録もあります! pic.twitter.com/CiSEAfU7Bl
猿島から東を望むと、第一、第二海堡が見えます。猿島の砲台から届かないエリアをカバーし、東京湾を守りました。
— ブラタモリ (@buratamori2018) July 15, 2021
第三海堡は、ブラタモリ横須賀(https://t.co/yQDeAYoZoy)で扱った大型船が行き交うエリア。海難事故があり撤去済み。
一方、展望台からは北側の横須賀基地や☀️なら富士山が見えます。 pic.twitter.com/ThAEfHKkZW
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