NHK番組のブラタモリ室蘭編で、タモリさん推奨の室蘭の歴史・地形を踏まえた観光ルートが紹介されました。この記事では、ブラタモリ室蘭編推奨のルートを、アクセスなどの情報とともに紹介します。
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😎過去回ロケ地 完全収録
ブラタモリが、長岡→燕・三条→新潟市を、信濃川なしには語れない地域としてまとめてくれそう!😎
— ブラタモリ (@buratamori2018) August 27, 2023
漏れる糸魚川、上越、村上などは北前船航路でカバー🚣♂️
信濃川、北前船で理解しやすく全県を売り出せば、まだまだ観光客は来そう!
動画は十日町市に信濃川が作った河岸段丘で、このエリアもカバー。 pic.twitter.com/pFJF4tlKW3
北海道でブラタモリ | 内容 |
利尻島(#248) | |
稚内(#247) | 江戸時代の稚内は、海外へ開かれた窓だった? タモリさんが、旅のお題「稚内~“最北の町”で暮らすとは?~」を探ります。 |
苫小牧編(#221) | ホッキ貝など、自然の恵みが豊かな苫小牧は、なぜ日本有数の工業都市に上りつめたのでしょうか? |
登別温泉編(#220) | タモリさんが、屈指の「いい湯だな」と言われる秘密を探ります。 |
サロマ湖編(#168) | タモリさんが、8億のホタテがいる湖の謎を解きます。 |
網走編(#167) | 網走刑務所がなぜ理想の刑務所なのか、なぜ網走に建てられたのかなどを扱います。 |
釧路湿原編(#141) | 湿原は時間が経てば必ず、森林化してします。山手線がすっぽり収まる日本最大の釧路湿原は、なぜ湿原のままなのでしょうか? |
旭川編(#119) | 熊も出る大原野から、北海道第2の都市に登りつめた旭川。背景に、屯田兵や、石狩川周辺の地質がありました。 |
富良野編(#118) | 北海道の奥地にある丘陵に、開拓の波がたどり着くまでに30年。開拓途中には、十勝岳の噴火に襲われました。 |
室蘭編(#91) | 天然の良港である室蘭は、火山のはたらきを背景に持ちます。名所・地球岬や砂鉄の存在から、謎を解きます。 |
洞爺湖編(#89) | 中島が美しい洞爺湖は、最大水深180m。しかし、水深1m前後の場所があるのはなぜなのでしょうか? |
知床編(#55) | ゴジラ岩や断崖絶壁で知られる知床半島を形づくったのは、火山。ヒグマだらけの海岸線を、船で見てゆきます。 |
小樽編(#23) | 札幌を超える規模を誇った小樽は、戦後に一気に衰退。タモリさん「どうせ衰退するなら急速冷凍のほうが良い」。 |
札幌編(#22) | 明治2年まで、人口が7人だった札幌。どのようにして200万都市に発展したのでしょうか。 |
函館編(#7,8) | 青函トンネル、懐かしの青函連絡船を経て、函館の夜景が美しい理由を解き明かします。 |
ブラタモリ北海道へ! 室蘭編
室蘭は、日本を代表する工業都市。鉄の町としても知られています。
室蘭は、北海道の太平洋側にあります。地形の特徴は、別名噴火湾とも呼ばれる内浦湾。室蘭港は、その噴火湾からさらに湾(室蘭湾)に入った場所にあります。絵鞆半島(えともはんとう)は、太平洋に面した部分は絶壁が続きますが、室蘭湾はそうではありません。
ブラタモリが良港を扱った過去回には、長崎編があります。
ブラタモリ洞爺湖編で扱った洞爺湖は、比較的近く。あわせて回ることができます。
現在の室蘭は、鉄のまちとして栄えていますが、その名の由来は、アイヌ語のモ・ルエラニ(小さい・坂)にあります。天然の良港として、縄文時代からアイヌ人が住んでいたことがわかる痕跡が発見されています。
明治3年に明治新政府の命を受けた人物が、44戸51人を引き連れ室蘭に入植しました。山の急斜面が海岸に迫り絶壁をなす地形では、農業は厳しく、室蘭港の対岸に鋳物場が建てられ、鍋や釜を製造。このことが、鉄のまち室蘭の原点です。
ブラタモリ室蘭編のテーマは、工業都市・室蘭を生んだ奇跡とは!?
室蘭湾からスタート:ブラタモリ室蘭編
ブラタモリは、夕暮れの室蘭湾からスタートします。室蘭湾は、白鳥大橋(写真)や工場群の景観で人気があります。
白鳥大橋は、全長1380mで、高さは54.45m(東京湾平均水面を基準)。これは、設計当時の代表的な巨大客船、クイーンエリザベス2世号の高さにあわせて作られています。現在は、さらに大きな客船もあり、通過できない場合は、郊外の崎守ふ頭への入港を余儀なくされています。
室蘭は、工場夜景ブームのさきがけとして、早くから夜景を観光の目玉にしてきました。現在でも高い人気を集めています。夜になると、工場夜景の幻想的な風景が広がります。
ブラタモリは、チャーター船で、おおむね上の図のルートを反時計回りに周りました。夕暮れの白鳥大橋をくぐり、湾内で時間を稼ぎ、日が落ちたころ工場群のすぐそばを通過するスケジュールです。
観光客向けの定期船によるクルージングも、ほぼ同じルートをたどります(3000円、12~3月は休業)。
地球岬の絶景と3種類の岩石:ブラタモリ室蘭
翌朝、ブラタモリは、絵鞆半島(えともはんとう)の南端にあり、室蘭市の南端にも当たる地球岬に移動します。アイヌ語のポロチケップを、和語風に読み替えていったのが、地球岬の語源です。
タモリさんは、灯台の展望台から、南側の太平洋を一望します。展望台の下は大きな断崖。ポロチケップは、大きな断崖という意味です。北側を見ると、この断崖絶壁は、室蘭港の東・南・西と続いており、室蘭港を囲う形となってることがわかります。船の敵は、強風と高波。断崖絶壁に三方向をガードされていることが、室蘭が良港になった理由の1つです。
では、この断崖絶壁は、なぜ生まれたのでしょうか?
1度室蘭港に戻ったブラタモリは、チャーター船で、海路で地球岬に向かいます(このルートの観光船は運航なし)。
出典:北海道のいいとこ撮り
チャーター船から測量山付近をみると、絶壁に美しい白い岩石が見られます。これは、火山灰が堆積した、凝灰岩です。付近の地形が火山性である根拠となります。外観から銀屏風とも呼ばれています。
出典:北海道のいいとこ撮り
ほんの少し海路を進めると、白い凝灰岩が、黒っぽい岩石に変わってきます。ボロボロとし、もろいように見えます。これは、水冷破砕岩です。マグマが水で急に冷やされて粉々になり、その後固まってできたもの。水中で火山の噴火があった証拠となります。
水冷破砕岩は、ブラタモリ知床編でも登場しています。
出典:北海道のいいとこ撮り
測量山付近をすぎ、地球岬に近づきます。すると白い凝灰岩でも、黒くもろい水冷破砕岩でもなく、第3の岩石が登場します。海中から突き上がるような形状のこの岩石は、地下から上がってきたマグマが、その通り道で固まったもの。水冷破砕岩の原料とも言えます。
1000万年前の海底の噴火では、まず水中に水冷破砕岩が山のような形で蓄積し、その中心部に岩脈が生成しました。その後、隆起によって海面に表出したさい、水冷破砕岩の部分は、波に削られました。地球岬は、海底火山の芯にあたる存在を、直接見ることができる地形であり、展望台のある灯台は、芯の上に建てられたのです。
バラバラに点在した海中火山(が地上に出たもの)を結びつけたのが、砂でした。砂が接着剤がわりになったのです。室蘭は、太平洋と噴火湾の海流が集まり、砂がたまりやすい地形だったのです。
砂鉄を探す:ブラタモリ室蘭
ブラタモリは、海路を地球岬付近から北へ進め、イタンキ浜付近でチャータ船を降ります(イタンキ浜は、陸上からも訪ねることができます)。
イタンキ浜には、砂鉄が見られます。砂鉄はマグマに含まれる成分です。この砂鉄も、室蘭が火山性の地形であることを示しますが、同時に室蘭の産業にも関わります。
室蘭の発祥の地:ブラタモリ室蘭
ブラタモリは室蘭港の西北、JR崎守駅付近にある、室蘭地名発祥の坂を訪ねます。
室蘭の名の由来は、アイヌ語のモ・ルエラニ(小さい坂)にあります。正確に言えば、小さな坂を下った場所という意味です。室蘭の地名発祥の坂付近は、現在は平穏な住宅地となっていますが、かつては、本州とアイヌの交易のための会所が設けられていました。いまは埋め立てられていますがかつては、すぐ砂浜があり、海路と陸路が交わる交通の要衝であり、室蘭の中心地だったのです。
その後、船が大型化し、東にある現在の室蘭港に、港の機能は移されました。
製鋼所とやきとり:ブラタモリ室蘭
ブラタモリは、JR母恋駅すぐ北西にある、室蘭初の製鋼所(=鉄などを使い合金を作る工場)を見学します。世界最大級の大型のプレス機があります。鍛冶屋も、鉄を道具で叩いて製鋼しますが、それを大型化したのがプレス機です
鉄を作るのには、石炭、鉄鉱石が必要。北海道は、石炭の産地であり室蘭はその通り道でした。鉄鉱石は、海岸にも見られた砂鉄が使われました。製鋼の技術は、大砲の製造など、軍需を背景に成長し、その後民生技術に転用されました。
ブラタモリは、輪西駅の東にある鳥よしを訪ねます。タモリさんは、からしをつけて、名物の「やきとり」を食べます。昭和初期から、室蘭では農家で豚が飼われています。戦前には、体力を使う港湾や製鉄の労働者のニーズに合わせ、豚肉の串焼きの屋台が誕生。これが現在の室蘭やきとりの原点です。本州では、焼きとんと言われるものです。
室蘭の口コミ1位の宿
登別温泉のおすすめ
洞爺湖と室蘭:ブラタモリ室蘭編
洞爺湖は、火山の噴火によるマグマの放出で地中にできた空洞がつぶれてできた、日本で3番目に大きなカルデラ湖です。その南側に、室蘭湾が位置しています。
北海道では、知床半島も火山に関連が深い地形です。
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NHK ブラタモリ室蘭で、「水中火山」を説明させていただいた山岸です。
放映の短い時間では、説明が困難でしたが、より詳しいお話は、来年の2月3日午後2時から札幌市のかでる2.7で、HRCG北海道総合地質学研究センターのセミナーで発表予定です。