NHK番組のブラタモリ知床編で、タモリさんおすすめの知床の地形が紹介されました。このページでは、ブラタモリ知床編のルートを、アクセスなどの情報とともに紹介します。
追記 2022年4月23日、知床半島付近の海上を航行中に浸水事故を起こした遊覧船「KAZU Ⅰ」について、追記しました。
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北海道でブラタモリ | 内容 |
利尻島(#248) | |
稚内(#247) | 江戸時代の稚内は、海外へ開かれた窓だった? タモリさんが、旅のお題「稚内~“最北の町”で暮らすとは?~」を探ります。 |
苫小牧編(#221) | ホッキ貝など、自然の恵みが豊かな苫小牧は、なぜ日本有数の工業都市に上りつめたのでしょうか? |
登別温泉編(#220) | タモリさんが、屈指の「いい湯だな」と言われる秘密を探ります。 |
サロマ湖編(#168) | タモリさんが、8億のホタテがいる湖の謎を解きます。 |
網走編(#167) | 網走刑務所がなぜ理想の刑務所なのか、なぜ網走に建てられたのかなどを扱います。 |
釧路湿原編(#141) | 湿原は時間が経てば必ず、森林化してします。山手線がすっぽり収まる日本最大の釧路湿原は、なぜ湿原のままなのでしょうか? |
旭川編(#119) | 熊も出る大原野から、北海道第2の都市に登りつめた旭川。背景に、屯田兵や、石狩川周辺の地質がありました。 |
富良野編(#118) | 北海道の奥地にある丘陵に、開拓の波がたどり着くまでに30年。開拓途中には、十勝岳の噴火に襲われました。 |
室蘭編(#91) | 天然の良港である室蘭は、火山のはたらきを背景に持ちます。名所・地球岬や砂鉄の存在から、謎を解きます。 |
洞爺湖編(#89) | 中島が美しい洞爺湖は、最大水深180m。しかし、水深1m前後の場所があるのはなぜなのでしょうか? |
知床編(#55) | ゴジラ岩や断崖絶壁で知られる知床半島を形づくったのは、火山。ヒグマだらけの海岸線を、船で見てゆきます。 |
小樽編(#23) | 札幌を超える規模を誇った小樽は、戦後に一気に衰退。タモリさん「どうせ衰退するなら急速冷凍のほうが良い」。 |
札幌編(#22) | 明治2年まで、人口が7人だった札幌。どのようにして200万都市に発展したのでしょうか。 |
函館編(#7,8) | 青函トンネル、懐かしの青函連絡船を経て、函館の夜景が美しい理由を解き明かします。 |
知床観光の拠点、ウトロ温泉へ|ブラタモリ知床
知床半島は、2005年に世界自然遺産登録されています。知床は、アイヌ語でシリ・エトク(大地の行きづまり)を意味し、地形が極度に険しいため、開発の波にさらされませんでした。
生物多様性、独自の生態系が世界遺産認定の理由です。
陸や空だけでなく、周囲の海も生物の宝庫です。
知床半島を貫く知床連山には、羅臼岳(写真)、硫黄山の2つの活火山が存在します。これらの活動とは別に、約900万年より始まった海底火山の活動も、知床の成り立ちに大きな影響を与えています。
ブラタモリのテーマは、世界遺産知床は、火山のおかげ、です。
- アクセス 新千歳空港🚋9:18(エアポート93号)9:22南千歳🚋9:26(特急おおぞら3号)13:20釧路🚋14:14(JR)16:31知床斜里🚌17:30(バス)18:20ウトロ温泉バスターミナル
(2022年12月現在の時刻)
ブラタモリは、巨大な火山岩の前からスタート。ウトロの観光名所ともなっており、ゴジラ岩と呼ばれています。テーマは、世界遺産知床は、火山のおかげ、です。
ウトロ温泉から船で知床岬へ【追記】海難事故を起こした遊覧船「KAZU Ⅰ」のルート|ブラタモリ知床
知床半島は、自然が険しいため、先端部への道がありません。そのため、ウトロ温泉から知床岬へ、船で向かいます。
● ウトロ温泉(ゴジラ岩)
● フレペの滝付近 海上
● 知床五湖 海上
● 知床岬 海上
追記 遊覧船「KAZU Ⅰ(カズ・ワン)」のルート
2022年4月23日午後1時15分ごろ、知床半島付近の海上を航行中に浸水事故を起こした遊覧船「KAZU Ⅰ」は、ウトロ魚港(ウトロ温泉)を出港し、知床半島先端の知床岬で折り返して帰港するルートです。途中、カシュニの滝付近で海難事故がありました。
ウトロ漁港から知床岬は、ブラタモリのルートとほぼ同じです。ただし、知床の観光船事業には、4つの会社があり、事故を起こしたのは小型船の会社となります。
調査段階ですが小さな会社のため、差をつけるためにの他社よりも早い時期、それも悪天候での出航があったのかも知れません。小型船は、より陸に近づけることで差をつけていたとも伝わります。
追記 2022年12月、事故調査報告が発表されました。
● フレペの滝付近
ブラタモリは、途中、フレペの滝付近(ウトロ温泉に近い場所で、海難事故のあったカシュニの滝よりずっと手前)の海上で船を止めます。
案内人は、溶岩が海に流れ込んでできた、断崖絶壁だと説明します。なぜそう言えるのでしょうか?
● フレペの滝付近
海面近くに見える、柱状節理がその証拠です。この柱状の裂け目は、溶岩が冷えて収縮するときに形成されます。現在も活火山である羅臼岳の、かつての溶岩流が、台地を形成しています(幌別台地)。
ブラタモリでは、柱状節理ができる仕組みを、片栗粉で実験しました。
片栗粉は水を含みやすく、乾燥すると収縮する性質があります。乾燥させた片栗粉は、収縮し表面にヒビが生じます。指で崩すと、ヒビから縦に割れ、柱のようになります。これが柱状節理の仕組みです。溶岩流が、海面近くで冷やされ、収縮しても同じ現象が生じます。
● 知床五湖付近
知床五湖の付近は、羅臼岳とは別の火山、硫黄山の溶岩流が台地を形成しています(岩尾別台地)。
知床五湖付近の海上からは、知床連山が美しく見えます。
タモリさんは、このあと知床五湖と知床岬の中間地点の海上から、ヒグマを発見します。
追記 海難事故があったとされるカシュニの滝は、タモリさんがヒグマを発見した地点(知床五湖と知床岬の中間地点)から比較的近いと思われます。
知床岬への行き方
知床岬へは、知床遊覧船岬コースで向かうことができます。岬への上陸はできません。
陸路は、道路が敷かれておらず、徒歩で向かう場合は、1級の登山家向けの難コースです。西岸周りの場合、海岸の崖を移動したり、途中泳いで通過したりする場所もあります。
知床遊覧船からのヒグマ目撃率は92%(2010年)です。また、西岸周りで徒歩で向かった人は、25頭のヒグマを目撃したと報告しています。
● 知床岬周辺
知床岬周辺では、かつての海底が隆起し、海底火山の溶岩が崖をつくり、波により複雑に侵食されています。
- フレペの滝 …現在も活火山である羅臼岳の、かつての溶岩流が、台地を形成(柱状節理)。
- 知床五湖 …硫黄山の溶岩流が台地を形成。
- 知床岬 …かつての海底が隆起し、海底火山の溶岩が崖をつくり、波により複雑に侵食。
知床が世界遺産の指定を受けた理由に、独自の食物連鎖があります。
海と陸がひとまとまりになった生態系には、流氷の存在が大きく寄与しています。流氷には栄養分が多く含まれ、その栄養分は、植物プランクトン、動物プランクトン、鮭などの魚、鳥や熊などの動物と引き継がれてゆくのです。
ウトロ温泉へ戻り、陸路で遠音別川へ|ブラタモリ知床
海路でウトロ温泉へ戻ったタモリさんは、遠音別川河口付近を訪ねます。
● 遠音別川河口付近
● ウトロ温泉(世界遺産エリア外)
● 幌別川
● 世界遺産エリア内
遠音別川河口付近の地層を見ると、斜めになっています。これは、なぜなのでしょうか?
知床半島、国後島、択捉島の南には、北米プレートがあります。北米プレートが、隣接するプレートの影響を受け、東から西に動くことで、海底に隆起が生じ、知床半島などが誕生しました。
ブラタモリでは、海をイメージした青いビニールシートに両手をつき、片手を北米プレートに見立て、シワができることで、知床半島、国後島、択捉島の成り立ちを体感しました。
遠音別川河口付近には、遠音別川サケ・マス遡上観覧施設があり、カラフトマスの遡上を見学できます。シーズンは8~10月です。看板は出ていません。
ウトロで世界遺産の外側と内側を比較|ブラタモリ知床
● ウトロ温泉(世界遺産エリア外)
ブラタモリは、再度、番組をスタートしたウトロ温泉に戻ります。知床観光の基地であり、ゴジラ岩があった場所です。
ウトロの市街地は、世界遺産エリアの外側になります。地図の●の地点で、ウトロの市街地付近の道路脇の岩肌を観察すると、もろい水冷破砕岩です。
海上から見学した、フレペの滝付近の海上や知床五湖付近は、現在も活火山である、羅臼岳、硫黄山のかつての噴火による溶岩が、地表を覆っていました。
しかし、ウトロ温泉の市街地は、約900万年より始まった、海底火山の活動がもとになった地層です。
海底火山が噴火し、溶岩が急に冷やされてできた水冷破砕岩が、プレートの活動により陸地になったものです。
水冷破砕岩は、もろく農地として開拓が可能だったため、開発が進み、世界遺産からは外れています。
知床岬方面へ向かい、地図の●幌別川を超えると、世界遺産のエリアです。
地図の●(世界遺産エリア内)付近で許可を得て、ガードレールの向こうの、道路脇の岩を観察すると、耕すのが難しい固い溶岩でした。
なお、全く開拓の手が入らなかったわけではなく、付近には開拓者が住んでいた小屋も残されています。
峠を超え羅臼漁港へ|ブラタモリ知床
ブラタモリは、知床半島を横断し、羅臼漁港へ移動します(地図●印)。
魚の城下町と呼ばれ、100種類もの魚が水揚げされます。セリは、朝から午後にかけ、1日8回行われる場合もあります。
なぜ羅臼漁港では、このように多種多様の魚が水揚げされるのでしょうか?
その理由は、深い海底地形です。深さ2000m以上に及ぶ場所も存在します。知床半島、国後島、択捉島は、太平洋プレートの移動によるしわ寄せで誕生しましたが、そのシワとシワの間は、深い谷になったのです。
羅臼漁港でのセリは、時間がかからないよう、高値から順に提示し、声がかかったら即決する下げセリでテキパキと進みます。付近のしおかぜ公園に『知床旅情』の発祥を記念した歌碑がありました。
北海道でブラタモリ | 内容 |
利尻島(#248) | |
稚内(#247) | 江戸時代の稚内は、海外へ開かれた窓だった? タモリさんが、旅のお題「稚内~“最北の町”で暮らすとは?~」を探ります。 |
苫小牧編(#221) | ホッキ貝など、自然の恵みが豊かな苫小牧は、なぜ日本有数の工業都市に上りつめたのでしょうか? |
登別温泉編(#220) | タモリさんが、屈指の「いい湯だな」と言われる秘密を探ります。 |
サロマ湖編(#168) | タモリさんが、8億のホタテがいる湖の謎を解きます。 |
網走編(#167) | 網走刑務所がなぜ理想の刑務所なのか、なぜ網走に建てられたのかなどを扱います。 |
釧路湿原編(#141) | 湿原は時間が経てば必ず、森林化してします。山手線がすっぽり収まる日本最大の釧路湿原は、なぜ湿原のままなのでしょうか? |
旭川編(#119) | 熊も出る大原野から、北海道第2の都市に登りつめた旭川。背景に、屯田兵や、石狩川周辺の地質がありました。 |
富良野編(#118) | 北海道の奥地にある丘陵に、開拓の波がたどり着くまでに30年。開拓途中には、十勝岳の噴火に襲われました。 |
室蘭編(#91) | 天然の良港である室蘭は、火山のはたらきを背景に持ちます。名所・地球岬や砂鉄の存在から、謎を解きます。 |
洞爺湖編(#89) | 中島が美しい洞爺湖は、最大水深180m。しかし、水深1m前後の場所があるのはなぜなのでしょうか? |
知床編(#55) | ゴジラ岩や断崖絶壁で知られる知床半島を形づくったのは、火山。ヒグマだらけの海岸線を、船で見てゆきます。 |
小樽編(#23) | 札幌を超える規模を誇った小樽は、戦後に一気に衰退。タモリさん「どうせ衰退するなら急速冷凍のほうが良い」。 |
札幌編(#22) | 明治2年まで、人口が7人だった札幌。どのようにして200万都市に発展したのでしょうか。 |
函館編(#7,8) | 青函トンネル、懐かしの青函連絡船を経て、函館の夜景が美しい理由を解き明かします。 |
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😎過去回ロケ地 完全収録
ブラタモリが、長岡→燕・三条→新潟市を、信濃川なしには語れない地域としてまとめてくれそう!😎
— ブラタモリ (@buratamori2018) August 27, 2023
漏れる糸魚川、上越、村上などは北前船航路でカバー🚣♂️
信濃川、北前船で理解しやすく全県を売り出せば、まだまだ観光客は来そう!
動画は十日町市に信濃川が作った河岸段丘で、このエリアもカバー。 pic.twitter.com/pFJF4tlKW3
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