NHK番組のブラタモリ初夢スペシャル・三保松原編で、三保松原の歴史・地形を踏まえた観光ルートが紹介されました。このページでは、ブラタモリ三保松原編のルートを、紹介された折戸なすの写真とともに紹介します。
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ブラタモリ三保松原へ
ブラタモリは、静岡県の三保松原からスタート。三保松原編は、『鶴瓶の家族に乾杯』とのコラボとなります。三保松原は、7キロもの長大な海岸線に、3万本の松がある雄大な景色です。
鶴瓶さんは、少し遅れて、羽衣の松(松林)から登場。
ブラタモリ三保松原編のテーマは、一富士二鷹三茄子です。三保松原を舞台にした美人画(浮世絵)を確認すると、3つが登場しています。
なぜ、縁起の良い初夢は、一富士二鷹三茄子と言われるのでしょうか?
徳川家康は、幼少時と晩年、駿府城で過ごしています。一富士二鷹三茄子は、いずれも徳川家康が大変気に入っていたもの。このことが、一富士二鷹三茄子の原点と言われます。
家康が入城する予定だった、静岡・駿府城。
— ブラタモリ (@buratamori2018) July 1, 2021
櫓(やぐら)が2つ残っており、往時を偲ぶことができました。
雨といえば「竹林」ですが、雨の城もよいものです😊 pic.twitter.com/HMc9iqDyxm
静岡・駿府城。
— ブラタモリ (@buratamori2018) July 1, 2021
今なら、天守台の発掘調査現場を、見学することができます!
城の隅を守る櫓(やぐら)2つは残っているので、城の姿が容易に想像できます。
ほかにも、町の至る所に、石垣や、商人町、門前町(浅間神社)の痕跡があり、ブラタモリを見ている人なら、ひとりでもブラタモリできます😎 pic.twitter.com/6ctm5nbnNb
徳川家康は、晩年、現在の清水区に、別荘である清水御殿を建て、三保松原をたびたび訪ねていたと考えられます。
富士山の手前に三保半島があり、その前に駿河湾がある光景は、富士山の典型的なイメージでした。
なぜ三保松原には微高地が?|ブラタモリ三保松原
ブラタモリは、神の道(御穗神社 参道)へと続く羽衣の松(松林)に向かいます。松林は、高度が少し高くなっています。なぜなのでしょうか?
これは、三保松原の砂浜が、あとから風や波で運ばれてきたことを示しています。
小高い松林(羽衣の松)を超えると、下り坂となり、神の道(松並木)へと続きます。三保半島には、太平洋沿いに自然堤防が続いているのです。
ルート
三保松原入口バス停…御穗神社…神の道…売店…羽衣の松…三保松原《徒歩合計13分》
※ブラタモリでは、海から神社へ向かうルート(海からの、正規の参拝の順路)を放映しました。
三保松原の古い地形を探る|ブラタモリ三保松原
ブラタモリは、太平洋岸の自然堤防に並行し、やや内陸部を歩きます(A地点からB地点へ)。
すると、B地点(阪部小児科)に近づくにつれ、坂道を登る形となります。なぜなのでしょうか?
坂を登りきり、少し下ると、瀬折戸の渡しの跡の看板が見つかります。
半島の付け根にも、自然堤防と同じような高さの微高地があり、渡し船の痕跡がある。つまり、三保の松原がある三保半島は、かつては島だったことがわかります!
瀬折戸の渡しの跡の説明内容
室町時代大永年間の頃まで三保半島は島となっており、駒越と浅瀬の海で隔てられていて、その浅瀬を渡し船で渡ったという。この渡しは別名(有渡の渡し)とも言われており、柿本人麻呂は「千早ぶる、有渡の渡りの早きせに、逢すありとも後にわが妻」(670年頃)と詠んでいる。
平安時代には、駿河湾に島が浮かび、背後に富士山のある風景が広がっていたのです。そして、この光景は、人々にとって非常にありがたいものでした。それは、なぜなのでしょうか?
大きな池と島を特徴とする、浄土庭園の形式であったからです。平安時代の人々にとって、三保松原の風景は、極楽浄土の光景に見えたのです。
参考 すでに半島となっていた室町時代に描かれた絵画にも、三保半島が島として描かれているものがあります。
久能山の茶畑から富士を望む|ブラタモリ久能山
ブラタモリは、三保半島から、日本平パークウェイを経由し、中腹の茶畑付近を訪ねます。
平安時代の絵図にあった光景です。
眼下に駿河湾が広がり、三保半島が見えます。平安時代には、三保半島右手の付け根は切れており、島の形状でした。左手に富士山が見えます。なぜ、一富士 二鷹 三茄子として、三保から見た富士山が筆頭に挙げられたのかが、よくわかる風景でした。
- アクセス JR静岡駅よりしずてつジャストラインバス、日本平ロープウェイ行きに乗車。日本平石碑前下車。
鷹か愛鷹山か?|ブラタモリ久能山
タモリさんと鶴瓶さんは、ある鷹匠を訪ねます。
鷹匠が管理する鷹を、左腕に乗せてみます。調教された鷹は、タモリさんの腕から、鶴瓶さんの腕に乗り移ります。一富士 二鷹 三茄子の鷹は、この地区の素晴らしい鷹の姿から来ているのでしょうか?
一富士 二鷹 三茄子の鷹は、実は足高山(江戸時代以降は、愛鷹山と呼ばれる)を表すという説もあります。富士山が一番高く、愛鷹山は二番目だということです(諸説あります)。
愛鷹山は、沼津から富士山を見ると、富士山の手前に見える低い山です。ある意味では富士山を隠してしまう存在ですが、愛鷹山へはみな子どもの頃から登っており、親しみも強いようです。
徳川家康を祀る久能山東照宮|ブラタモリ久能山
ブラタモリは、ロープウェイに乗り、久能山東照宮を目指します。
- アクセス ①静岡駅からバス50分。日本平(内陸部)からロープウェイ。②久能山下(海岸)から徒歩20分(1159段の石段)。久能山下までの無料バスは廃止。
- 三保松原から移動する場合、清水駅から、日本平までバス。
三保松原の南西に位置する久能山東照宮は、徳川家康を祀る神社です。
日光東照宮より先、全国50の東照宮のなかで1番初めに建立されました。川越の仙波東照宮とあわせ、3大東照宮となります(久能山、日光以外の3つ目の東照宮の選定については、諸説あり)。徳川家康の亡骸は、遺言により久能山に埋葬されました。
- 東照宮=徳川家康を祀る神社のこと
ブラタモリは、久能山東照宮の中心である社殿を訪ね参詣を済ませます。
社殿手前の唐門には、鷹の木彫りがあり、徳川家康の鷹好きを後世に伝えます。
徳川家康はどこに眠る?
徳川家康の亡骸は、遺言により久能山に埋葬されました。そして1年後、これも遺言により、川越の仙波東照宮の場所(喜多院)を経由し、日光東照宮に改葬されました。
この際に、遺骨も運んだのかどうかが、史実として争われています。いずれにせよ、徳川家康の霊は、西は久能山東照宮、東は日光東照宮の双方から江戸を見守っていると言えます。
- 【ブラタモリ川越】歴史・地形・観光ルートまとめ #9 徳川家康の改葬時にわざわざ経由した、家康ゆかりの喜多院が紹介されました(仙波東照宮の写真も)。
- 【ブラタモリ日光】歴史・地形・観光ルートまとめ #26 徳川家康の改葬先である日光東照宮が紹介されました。
泥岩と幻の折戸なす|ブラタモリ三保松原・久能山
久能山の社殿を訪ねたあと、ブラタモリと鶴瓶の家族に乾杯は、2手に分かれます。
- 鶴瓶の家族に乾杯 … 久能山ロープウェイを降り、駿河区の住宅地を訪ねます。創業82年の米屋の店頭で販売されている、握り飯を食べます。2代目であるご主人の母親は100歳の長寿。奥様のお母様も95歳で健在です。その後、ご主人の弟さんの自宅も訪問します。
ブラタモリは、久能山東照宮(有度山)の海側の参道(1159段の石段)にある、高い崖を見学します。
地層は、丸く黒い石からなります(泥岩)。川が運び海底にあった黒い石が、隆起により地表に出たものです。有度山は、隆起によって誕生した場所だったのです。
泥岩標本
隆起の速度は速く(10万年で300m)、フィリピン海プレートとユーラシアプレートがぶつかり合う、活発な地中の活動が伺えます。
隆起した有度山は、10万年にわたる潮の流れで、海側の半分程度は削られ、それが流れ着き三保半島になったのです。
有度山や三保半島を特徴づける黒い砂は、三茄子の茄子に関係しています。どういうことでしょうか?
ブラタモリは、三保半島折戸地区の農家を訪ねます(上述、瀬織戸の渡し跡看板の周辺と見られます)。
予約しておいた折戸なすが届きました! ブラタモリ三保の松原編で紹介されたものです。静岡・清水で少しだけとれる希少品で、徳川家康が好み「三茄子」はこれを指すと言われています!(諸説あり)
— ブラタモリ (@buratamori2018) June 9, 2018
ブラタモリ三保の松原編のまとめ→https://t.co/aqQWbuiLHk pic.twitter.com/EHYqWeSNSM
丸い形が特徴の折戸なすが栽培されています。
足元を見ると、宇度山や三保半島を特徴づける黒い砂が、ここにも見られます。黒い砂は、太陽の光を吸収しやすく、促成栽培を可能にしたのです。折戸なすは初物として有り難がられました。当時、ナス5つが1両(現在の価値で10万円)で売られました。
一富士 二鷹 三茄子は、一番高いのが富士山、二番目に高いのが愛鷹山(足高山)、負けじと高価なのが折戸ナスという意味だったのです(諸説あります)。
折戸ナスを焼くと、何もつけなくても甘くてみずみずしい、リンゴのような味の雰囲気もある、絶品の焼きナスに仕上がりました。徳川家康が好んだことが、非常に納得できる味でした。
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😎マークは、現地取材済みです。
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ブラタモリが、長岡→燕・三条→新潟市を、信濃川なしには語れない地域としてまとめてくれそう!😎
— ブラタモリ (@buratamori2018) August 27, 2023
漏れる糸魚川、上越、村上などは北前船航路でカバー🚣♂️
信濃川、北前船で理解しやすく全県を売り出せば、まだまだ観光客は来そう!
動画は十日町市に信濃川が作った河岸段丘で、このエリアもカバー。 pic.twitter.com/pFJF4tlKW3
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