【ブラタモリ浅間山・鎌原村】ロケ地|タモリさんが巨大噴火の痕跡を追う #145

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NHK番組のブラタモリ・浅間山編で、鬼押し出し園、鎌原村など、地理や地学、歴史に注目した散策ルートが紹介されました。このページでは、ブラタモリ浅間山編のロケ地を、写真やアクセスなどの情報とともに紹介します。

鬼押し出し園|ブラタモリ浅間山

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群馬県と長野県にまたがる浅間山は、日本を代表する活火山です。直近では、2019年夏にも、小規模な噴火がありました。

ブラタモリは、鬼押出し園からスタート。軽井沢に近く、浅間山の北側にあたり、浅間山噴火の溶岩が広がる荒涼とした場所です。年間25万人が訪れます。

  • アクセス 軽井沢駅からバスで約40分。吾妻線万座・鹿沢口駅からバスで約25分。

クライマックス噴火|ブラタモリ浅間山

『浅間山噴火夜分大焼之図』 山川 詳説日本史図録
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天明3年(1783年)の天明の噴火は、いまの浅間山の姿を作った、日本有数の大噴火です。5月から8月にかけて、90日間に渡る大噴火の様子が絵図に残されています。

とくに8月4~5日の大噴火は「クライマックス噴火」と呼ばれ、大地が激動した記録が残っています。

  • 天明3年(1783年)8月4日 18時ごろ~
    「クライマックス噴火」開始。空に吹き上がった溶岩(溶岩噴泉)は、空気に触れ赤く変色(上の絵図)。火口から吾妻火砕流が流出し始める。
  • 8月5日 深夜0時ごろ~
    ゆっくりとした火砕流が周辺に到達し始め、木々の周りを高熱の溶岩が囲み、木が焼かれた。
    ※この痕跡として、木の形の穴が残った溶岩樹型が今も残っている。
  • 8月5日 朝6時~
    もとの噴火口の少し下で、さらに大爆発が発生し、巨石がばらまかれる。流れ出た鎌原火砕流が、土石なだれや泥流となり、村々や吾妻川沿いを襲う。泥流は太平洋に到達。
    ※この痕跡として、軽井沢おもちゃ王国付近に巨石が見られ、鎌原神社に痕跡がみられれる。

図 万座・鹿沢口駅案内板より(日時の表記が番組紹介と一部異なります)

ブラタモリ
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クライマックス噴火のスタートにあたる、8月4日の18時から0時には何が起こったのでしょうか?

鬼押出し溶岩に、クライマックス噴火の初日の痕跡が残されています。流れ出た溶岩の内部は、通常なら、空気に触れず、黒い色をしているはず。

しかし、タモリさんが溶岩を見ると、内部が赤く変色した溶岩が見られます。赤い変色は、溶岩が1度空中に吹き上げられた痕跡です。

『浅間山噴火夜分大焼之図』山川 詳説日本史図録

絵図を見ると、爆発的な反応が続き、噴煙が成層圏に達することもある、プリニー式噴火だったと分かります。 ブラタモリ阿蘇奥日光でも紹介された、極めて大規模な噴火です。

プリニー式噴火では、噴石、火山灰、火山ガスを主体として構成された1~5万mの噴煙柱が、1日、場合によっては数日から数か月維持され、のちに大崩壊を起こし、周囲一帯を埋めつくすものです。

浅間山のクライマックス噴火では、マグマが噴水のように空中に吹き上げられる溶岩噴泉も、同時に起きています。1度空気に触れたマグマが降り積もるため、溶岩の中が赤くなっているのです。

ブラタモリ
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クライマックス噴火の中盤にあたる、深夜0時から6時には何が起こったのでしょうか?

ブラタモリは、鬼押出し園から西に2キロの、森の中に移動します。

  • 浅間山溶岩樹型へのアクセス 鬼押し出し園からクルマで20分。地図はこちら
鹿沢インフォメーションセンター

森の中には、人が落ちそうな穴がいくつも空いています。

それぞれ番号が付けられ、囲いが設けられています。穴のなかには、ヒカリゴケが見られます。タモリさんが、ひときわ大きな60番の穴を調べると、直径1.6m、深さが5mもありました! 全て合わせると、1000を超えます。穴はなぜできたのでしょうか?

鹿沢インフォメーションセンター

これは、焼かれた木の形が残った溶岩樹型なのでしょうか?

溶岩樹型には、木の樹皮の模様が残ることがありますが、樹皮の模様がなく、石が詰まっています。

溶岩ではなく、比較的遅い流れの火砕流(軽石、火山灰が高温の火山ガスとともに流れ下るもの)が、木々を襲った痕跡だと思われます。詳細は未解明で、一般的な溶岩樹型とは異なり、1952年に国の特別天然記念物に指定されました。

火砕流が流れていた瞬間、プリニー式噴火や溶岩噴泉も、同時進行で継続していました。

ブラタモリ
ブラタモリ

クライマックス噴火の終盤にあたる、8月5日の朝6時から午前にかけて、何が起きたのでしょうか?

ブラタモリは、軽井沢おもちゃ王国(遊園地)を訪ねます。

  • アクセス 万座・鹿沢口駅からバスで約10分、軽井沢駅からバスで約60分(または予約制送迎バス)。2023年度は4月21日オープン予定。
軽井沢おもちゃ王国 公式サイト

軽井沢おもちゃ王国には、2021年に「ようがんのおうちエリア」が新登場。

園内には、各所に巨大な溶岩が見られます。大きなものは、幅20m、1000トンに及ぶと見られ、重さはタモリさん2万人分にあたります!

立体図で見ると、付近には大きな溶岩が点在しています。大きな溶岩は、8キロ離れた浅間山から飛んできた火山弾とは考えられないもの。どのように、ここにやってきたのでしょう?

ブラタモリは、浅間山自然遊歩道見晴らし台を訪ねます。

  • アクセス 鬼押し出し園から徒歩15分弱の浅間火山博物館から、さらに徒歩20分。

浅間山の中腹に、大きな窪地が見られます。もともとは、半円形の窪地だったと見られます。なぜ窪地ができたのでしょうか?

浅間山中腹のこの場所で、何らかの大爆発があったと考えられます。山腹での噴火は、ブラタモリ富士山で紹介された宝永火口と同じかたちです。この大噴火が、遊園地に転がってきた大きな溶岩を生んだのかも知れません。

※諸説あり。超巨大岩飛来説、沼への溶岩流入説など。

クライマックス噴火終盤の影響を受けた、日本のポンペイ・鎌原村|ブラタモリ浅間山

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ブラタモリは、鎌原村の鎌原観音堂を訪ねます。タモリさんがずっと訪ねたかった場所です。

  • アクセス 万座・鹿沢口駅からバスで5分(徒歩なら35分、行きは上りとなります)。万座温泉宿泊の場合、万座温泉バスターミナルからもバスが直通します。

クライマックス噴火終盤の影響を受けた、日本のポンペイと呼ばれる場所です。

鎌原観音堂には、途中まで埋まった階段があります。

階段の下の方は、地滑りで埋まってしまったのです。噴火のさいに、高台の鎌原観音堂にたどり着いた村人は、幸い生き残ることができました。上の段は「生死を分けた15段」とも呼ばれます。

新たに設けられた赤い木の橋の下に、古い階段が見えています。おおむね赤い木の橋の高さまで、浅間山噴火による地滑りが到達したと考えられます。

ここは、大噴火による地すべりで、村がまるごと埋まってしまった場所です。大噴火でまるごと埋まったローマの都市になぞらえ、日本のポンペイとも呼ばれています。鎌原村は、噴火で570人のうち477人の村人を失いました。

鎌原大観音は、万座・鹿沢口駅周辺を通り、軽井沢おもちゃ王国を経て、鬼押し出しへ向かう、ドライブルート沿いにあります。資料館は休館中(2023年4月現在)ですが、お土産屋さんは営業中。

鎌原大観音は、駐車場わきの階段を降りてすぐ。

姉妹都市提携を結んだポンペイとは?

火砕流堆積物に包まれていた鍋
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ポンペイは、ローマの都市です。日本が弥生時代だったころ、驚くほど近代的な都市が形成されていました(イメージ画像)。

しかし、西暦79年、ヴェスビオ山の噴火にによる火砕流と火砕サージ(火山灰と空気の混ざった高熱の爆風)で町ごと埋まってしまいます。

1000年以上、火砕流堆積物の下に埋まっていたポンペイですが、その後発掘が開始されます。火砕流堆積物には乾燥剤に似た成分が含まれ、湿気を吸収したため、多くのモノが原型を留めて出土し、世界を驚かせました。

焼け焦げたパンなども出土し、当時パン屋さんが20軒ほど営業していたことが分かっています。

水道管も出土しています(写真)です。日本は弥生時代で井戸と水路で暮らしていた頃、水道が張り巡らされていたのです。このほか、医学や芸術(絵画の写真)も、想像を超えた発達を示していました。

鎌原村の地すべりは、火砕流のように高温のものではなく、階段を登って助かった人もいると言われます。発掘により、60代の女性、40〜50代女性の白骨遺体が見つかりました(写真)。復元された顔の形から、逃げ遅れた親子だったと考えられています。

鎌原村の鎌原観音堂では、「まわり念仏」が定期的に催され、先祖の霊を弔い風化の無いようにしています。

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ブラタモリは、鬼押出し溶岩の末端崖を訪ねます。

末端崖とは、粘度の低い溶岩流の先端部にできる崖のこと。ブラタモリ富士山で紹介された、富士宮の冨士山本宮浅間大社そばにも、同様の地形がみられました。

浅間山の大噴火のさい、鬼押出し溶岩の末端部付近より温泉が湧き出し 、 約6キロ先の大笹宿まで引湯し、湯小屋を建て 2 年後に開業したとの記録があります(現在は廃止)。このことで、困窮した鎌原村の人々の救済が図られました。

別荘地の浅間ハイランド内に引湯跡があります(一般非公開)。「大笹の湯」引湯跡に文章による記述があります。

群馬のブラタモリ紹介地を訪ねる場合、次のページも便利です。

群馬でブラタモリ内容
😎現地取材 前橋(#227)
😎現地取材 草津温泉(#146)草津温泉のたっぷり、アツアツ、ピリピリのお湯は、なぜ生まれたのでしょうか?
😎現地取材 浅間山(日本のポンペイ鎌原村)(#145)浅間山の噴火のなかでも、歴史に残る天明の大噴火。最後の1日は驚くべきことが続きました。
😎現地取材 沼田(#31)沼田はフランスの教科書にも載る典型的な「ある地形」。駅から町へは階段を登って向かいます。
軽井沢への道(横川・碓氷峠)編(#24)|長野県にも分類世紀の難所・碓氷峠ですが、意外になだらか? タモリさんはめがね橋、アプト式の遺産を見学。
😎現地取材 軽井沢(#16)なぜ標高900mに広大な平地が出現し、またなぜ軽井沢は斜陽から復活を遂げたのでしょうか?
(注)浅間山は、群馬県と長野県にまたがります。

😎見逃した方はこちらから

見逃した「ブラタモリ」を体験トライアルで見る方法

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坂タモリ出版 推奨の坂は?(第8位で紹介)史上最大の反響「ブラタモリフォッサマグナ」ブラタモリ公式サイト
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😎過去回ロケ地 完全収録

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